前回の施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すなの記事で、タイトルにある通り、施設栽培での鉄欠乏の話題に触れた。
明確な欠乏症があれば楽なのだけれども、鉄に限らず軽微な欠乏症というのは何かと厄介だ。
特に微量要素と呼ばれるのは電子の運搬に関わっているので、軽微な欠乏であってもかなり厄介。
施設は慢性的に鉄の欠乏症が発生するということで、この問題にどのように対処しているのか?を整理してみると、キレート鉄の施肥という技術で回避しているそうだ。
水に溶解した鉄をキレート剤によってキレート鉄にして、灌注で与えれば、石灰過剰の土でも一応効果を発揮することになる。
キレート鉄を用いれば、一応軽微な鉄欠乏は回避できるけれども、適切なpHを考えるの記事で記載があるようなマンガンの軽微な欠乏症は回避できない。
マンガン欠乏と言えば、牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみるとの記事で記載した家畜糞で土作りをした際に慢性的な欠乏に陥ってしまう時に挙がった要素で、光合成の初期反応で非常に重要となる。
キレートマンガンという肥料は一応あるが、要素を加えるという足し算的な施肥は色々としんどいので、キレート資材を用いなくても良いような環境を整備する方が遥かに重要なので考えてみると、
クエン酸散布による定期的な除塩なのだろうなと。
ただし、クエン酸が弱酸といえど酸であることには変わりなく、クエン酸の散布は土壌の劣化に繋がるので、客土のような事も定期的にしておく必要はある。
今回の話はトマトやイチゴの栽培だけではなく、
ハウス内で栽培するすべての作物に言えること。