秋の荒起こしから秀品率の向上のポイントを探るの記事までで、乾土効果と荒起こしについて触れた。

稲作の機械の発達により、収穫と同時に稲わらを粉砕して、有機物として土に還すわけだけれども、稲わらの腐熟促進として、石灰窒素か家畜糞を使用することにいくつか懸念事項がある。


これらの肥料を使用する理由として、おそらく稲わらのC/N比の高さを、C/N比の低い肥料で相殺させる事が目的だろうけれども、石灰窒素には土壌消毒の作用のあるシアナミドが含まれ、家畜糞には硝酸塩以外の成分も多く含まれている。


前者の石灰窒素の土壌消毒のターゲットに枯草菌の仲間が含まれている事ので、稲わらの腐熟は良からぬ方向に向かうのではないか?という心配がある。

シアナミドは土壌の細菌にも効果があるのか?


後者の家畜糞に触れる前に、荒起こしの方を再び見るが、



荒起こしの目的の一つに土壌の無草化がある。

乾土効果に合わせて、無草化を進めると、土壌の有機物の量は激減する為、春の田植え時に土の弾力が無くなっている。

弾力がないということは、土を締め付ける事に繋がるわけで、土壌の無酸素状態を促進し、有害なガスが発生しても土壌に閉じ込められるという事態が発生する。


有害ガスの閉じ込め状態は稲作中の中干しの必要性の話題で触れた。

猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討する



ここで再び稲わらの腐熟目的で投入する家畜糞について触れると、家畜糞には硝酸塩以外にも硫酸塩もそれなりに含まれているとされている。

硫酸塩は嫌気環境下では硫酸塩呼吸によって硫化水素が発生する。

硫化水素は栽培では強烈な有害なガスとして扱われている。


乾土効果を狙う為に荒起こしをすることで土壌の弾力を失い、土壌のガス交換能が低下する。

ガス交換能が低下した状態で稲わらの腐熟を目的として家畜糞を投入するが、これは同時に有害ガスの発生源を仕掛けるのと同義となる。

投入した家畜糞を元に草を生やしていたらマシなんだけど、無草化が事態を悪化させる

根は地面を耕し土を形成する


これらの作業によって、稲作時に中干しをする必要が生じ、炎天下の中で稲を弱体化させる。

猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討する


土壌の有機物が減っている為、土の保肥力も減っている為、ただでさえ流水時の水質で肥料分が低下している中、更に肥料分を逃すことになる。

光合成の質を高める為に川からの恩恵を活用したい


これらの結果として、



いもち病やウンカの被害が止められないという事に繋がっていくのだろうなと。

高槻某所の水田で坪枯れを見た


最初に改善するポイントとして、農家の感と経験にある植物性の有機物の分解には窒素を与えるという考え方から改めるべきではないだろうか?

白色腐朽菌とトリコデルマの戦い


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