稲作に関して、農研機構から興味深い報告があったので紹介する。

(研究成果) カリウムの施肥量を抑えた水稲の栽培方法により土壌中に難分解性炭素が蓄積することを発見 | プレスリリース・広報


リンクのタイトル通りで、稲作でカリウムの施肥量を抑えると、土壌中に有機物が蓄積されやすくなるというものだ。

有機物が土の材料となるため、土の物理性や化学性が改善されて、翌年以降の秀品率は向上する。


仕組みの考察ははカリウムの施肥量を減らすと、土壌中のカリウムの量は当然少なくなるわけで、イネはカリウムを吸収するために土壌の鉱物を破壊してカリウムを取り出す。

破壊の際にケイ酸も溶脱するため、ケイ酸も合わせて吸収する。

ケイ酸苦土肥料から稲作を模索する


これらの成分の溶脱に合わせてアルミニウムの溶脱も生じ、土壌のアルミニウムが腐植を守るに記載したような内容になり、土壌に有機物が蓄積していく。


今回の内容に対して、イネは根周辺にすぐに吸収できるカリウムがなければ、周辺環境への根酸の分泌量を増やすのか?という疑問が生じる。

もしこの疑問が正しくて、更にイネ以外でも同様の事がいえるならば、



トマトの栽培では土壌鉱物の劣化に細心の注意を払うべきの記事で記載した土壌の劣化が、トマト特有のいじめる栽培を行った時、土壌の劣化が加速するのではないか?という懸念が生じた。

稲作では入水で新鮮な鉱物が入ってくるので、土壌の劣化の心配はない。

光合成の質を高める為に川からの恩恵を活用したい




話は戻って、今回紹介した研究報告では、難分解性炭素の蓄積は二酸化炭素の排出で地球温暖化を絡めて話を進めている。


有機物が蓄積された土壌では、



稲作で慣行的に行われている中干しで、土にヒビ割れが生じなくなる。

今回の報告のような流れが生じれば、SDGsの観点から、中干しでヒビ割れに関して一喜一憂している栽培者は環境に負荷をかけているということになるわけで、社会情勢的に中干しでヒビ割れがNGになる可能性が高い。

ヒビ割れしない土になったのならば、夏の猛暑対策で中干しはしない方が良い。

猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討する


以前、稲作に土作りは不要なのか?の記事で稲作に土作りは不要という考え方があることを記載したが、今後の市場で生き残る為に、稲作で土作り不要なんて考え方からはやく脱却した方が良い。


畑や田は炭素源をたくさん蓄積でき、且つ生産性を向上出来る稀有な産業なので、その産業特性にのって栽培した方が今後の社会では絶対に有利になることは間違いない。

年々勢いが増すと予想される台風に対して出来ることはあるか?