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レンゲ米の田の土表面の褐色化が目立つの記事等で話題に挙げている土壌改良 + レンゲ + 中干し無しの稲作をしている方と立ち話をしていたら、思い出したかのように昨年の米の収穫後の品質検査で一番でしたよという報告があった。


この田では収穫機が止まる程の反収があったにも関わらず、品質は維持されている事に驚いた。

昨年は今年は稲作で追肥をしている方をよく見かけるの記事で触れた通り、周辺の田の大半で追肥が行われていたが、こちらの田では追肥は行わない上に、基肥の減肥は難しいなと話をしていた程施肥量が少ない。


中干し無しの稲作であるため、水管理にかかるコストもほぼなく、除草作業も発生せず、農薬の散布も少ない(念の為に序盤で一回行った程度)為、周辺の田よりも利益率が高いのは自明だ。

田の抑草効果のある膨軟層の形成にイトミミズが関与する


これらの栽培の中に品質が向上する要因があったのだろうとアタリが付いたのは大きな一歩だった。

幸運な事によく一番を取られる方の田がすぐ近くにあるため、色々と比較出来る環境であることもありがたい。


これらの背景から米の品質(食味)を高める要因は下記の二点であるとアタリを付けた。

・初期生育を発根促進の方に注力する

・猛暑日に田に水を張り続ける事で高温障害を回避する

・川からのミネラルの供給量を増やす


この三点が揃えば光合成は活発になり、三点が揃わなければたとえ株間を広げ、葉の受光量を増やしたとて品質は向上しない。

早く訪れた猛暑日は稲作にどれ程影響するか?

稲作に秘められた大きな可能性


上記三点を実現するために、土作りが不要と考えられている稲作であっても土の物理性を高め、土のガス交換能を向上して稲作中に硫化水素ガスの発生要因を減らす事こそが大事だとわかってくる。

田の酸化還元電位


減肥して海外依存率を減らしつつ、美味しい米の流通量が増える。

更には猛暑日に田に水を張り続ける事で、田周辺の体感温度も下がって夏季が比較的快適な方向に向かうので良い事だらけなことは間違いない。

今年最大の出来事は物理性の改善 + レンゲ + 中干しなしの稲作によるインパクトを感じたこと


中干し無しの稲作は広がってほしい。


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