米ぬかに含まれるミネラルまでの記事で、米ぬかの栄養価について見てきた。
米ぬかに含まれている成分は、昨今問題になっている生活習慣病に対して有効である可能性が高く、しかもそれが廃棄物扱いで無料で手に入るという現状がある。
ここらへんの見直しを行えば、稲作の収益は格段に上がるのではないか?と思えてくる。
米ぬかについて更に見ておきたいものがあって、今回はそれに触れる。
触れたい内容というのが、
玄米の方に記載がある果皮と種皮だ。
玄米を精米した時に果皮と種皮が粉砕され、米ぬかに含まれるのだろうと勝手に想像している。
この成分は食物繊維になるので、腸内細菌叢に影響を与えるのか?という疑問が生じる。
というわけで調べてみた。
米ぬかに含まれる食物繊維の成分を調べてみると、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン質とリグニンであるらしい。
青江誠一郎 米ぬか食物繊維の機能性について - 醸協(1994)
一般的に言われる食物繊維といったところだ。
ヘミセルロースはセルロースを除く不溶性の多糖類の総称でいろいろとある。
安藤朗 腸内細菌叢に影響を及ぼす因子 - モダンメディア 65 巻 4 号 2019[腸内細菌叢]に拠ると、ヘミセルロースの記載はないが、セルロースが腸内細菌による発酵に抵抗性があり、ペクチンが完全に発酵されるそうなので、米ぬかにペクチンがどれ程含まれているかわからないが、腸内細菌叢の資化としての役割はありそうだ。
ただ、ヘミセルロースには血中コレステロールを低下する作用も確認されているので、生活習慣病に対してポジティブな作用をすることは間違いない。
冒頭でも記載した通りで、米ぬかの持つポテンシャルはすごいものがあるにも関わらず廃棄物扱いされている。
日本の食料自給率を上げたいのであれば所得の向上は絶対で、米ぬかからも収益を得られる仕組みにするべきなんだと思う。
稲作が活発になれば、低肥料型の栽培が活発になるわけで、肥料の海外依存率を減らすことにも繋がる。
こんな話を書くと、米ぬかを有機質肥料として使えなくなるから困るという話題が出るかもしれないけれども、米ぬかはリン酸を多く含む有機質肥料なので、単体での施肥を控えた方が良いと思っている。
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