トラクターで畑の土を耕すと、たしか団粒構造が20%程壊れるという話題があったはず。
化学肥料を使うと土が壊れるということはどういうことかを考える
団粒構造が壊れるというのは、腐植層の腐植がなくなることに近いので、土を撹拌するという行為で腐植が消費されるという考え方になるはず。
というわけで考えてみた。
耕起という行為は複数の刃で土を持ち上げ、それをすぐに落とす操作になる。
物理的落下による衝撃で土の塊が割れる。
耕起すること、土の中の酸素の濃度が大幅に変化する。
酸素が急激に増える事により、土壌の微生物によって有機物が分解されて、有機酸が生成される。
この酸により、
(農文協 作物はなぜ有機物・難溶解性成分を吸収できるのか 198ページの図を参考にして作成)
土の中の鉱物と腐植酸の繋がりが切れるのか?
有機酸は弱酸であるので、有機酸による影響はそんなにないはず。
もうひとつ考えられるのが、
粘土鉱物が出来る場所、海底風化の記事で触れた硫化鉄がある。
硫化鉄は酸素に触れることで硫酸になり、土のpHを酸性に傾ける。
しかし、上の記事の話題は海で堆積した粘土の話だ。
これが通常の栽培で同様のことが言えるのか?という問題があるが、
老朽化水田は文字通り泥沼の記事で触れたような硫酸塩系の肥料を、土が固まりやすい物理性の悪い畑で施肥をすると、硫化鉄は蓄積していく。
※硫安、石膏(硫酸石灰)やキーゼライト(硫酸苦土)等
そんな土を耕起すると、硫化鉄が酸化して硫酸が発生して、土のpHを下げる。
硫酸は強酸なので、粘土鉱物と腐植酸の繋がりを断ち切るかもしれない。