※写真:メタン発酵消化液の畑地における液肥利用 -肥料効果と環境への影響- 4ページより
家畜糞のメタン発酵時に得られる消化液は大規模稲作の問題を解決する可能性があるのでは?の記事で家畜糞のメタン発酵時に得られる消化液には、大規模稲作における弱点を解消出来る可能性があるのでは?という内容を記載した。
私自身、大規模稲作を経験したことがないので、液状散布よりも、養分が濃くなるが固形の方が散布しやすいということがあるかもしれないが、消化液の方で話を進めることにする。
前回の記事で、消化液は田の藁の腐熟に活用するという内容を記載した。
ここで気になるは二点あって、
※写真は枯草菌の一種の納豆菌
藁の腐熟に関わる微生物を枯草菌だとして、枯草菌は嫌気性(酸素がない)の環境で活動することが出来るのか?と枯草菌は無機窒素を利用出来るのか?の二点がある。
なぜ嫌気環境を気にするか?といえば、大規模の稲作は豪雪地域で行われる事が多い為、冬場の田は雪に覆われている可能性が高い為。
この二点を解消するものとして、Anaerobic growth of a "strict aerobe" (Bacillus subtilis) - PubMedがあった。
上記の内容では、枯草菌が硝酸呼吸をしていることと、この呼吸は嫌気的な環境で行われる事が記載されていたため、挙げた2つの疑問の両方を解消する。
次の疑問は消化液に含まれる無機窒素は主にアンモニア態窒素になるわけで、これはきっと硝化細菌あたりがどうにかしてくれるだろう。