農薬や化学肥料を使用して栽培すると野菜が育たない環境になるという意見に対して3の記事の続き。
繰り返しの話になるけれども、野菜が育たなくなった環境というのは、農薬と化学肥料を使用した畑ではなく、大半は家畜糞、特に牛糞を毎作入れていた所だった。
牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみるとの記事でも記載した内容になるが、食事に例えて、強い毒と弱毒の食物があった場合、強い毒は食べたらすぐにやばいとわかり摂取を止めるが、弱毒の場合は普段の食事では気が付かずに摂取を続け、知らぬ内に蓄積するが、それでも弱毒由来で体調不良になったか?が分からずに摂取を続けてしまうという恐ろしさがある。
弱毒の食事が一般的には有用という認識で広まっている場合は更に深刻になる。
牛糞にもそういった魔力があって、牛糞等の土作りを行った場合は、10年ぐらいかけて徐々に秀品率が低下していく。
気が付いた時には収穫できなくなっていたという事を高頻度で遭遇したし、そういった畑で牛糞を止めてもらうだけで、収量、秀品率がV字回復したところもたくさんあった。
家畜糞で野菜が育たなくなった要因というのが、浸透圧を高めてしまう無機栄養塩が豊富に含まれていることと、リン酸が過剰になってしまうことが大きい。
土壌中の糸状菌が植物に対して病原菌となるか共生菌となるか?は施肥次第
家畜糞も有機質肥料だから土を良くする成分が入っているだろうと反論があるけれども、悪影響の成分 > 好影響の成分の関係がある限りは入れ続ければ、いずれは悪影響の方のみが目立つようになる。
牛糞はその中で最も質が悪く、悪影響の成分と好影響の成分の差が小さいので、秀品率が微減してわかりにくく、秀品率の減少の原因をわかりにくくする。
牛糞で土作りをしている人が決まって言うのが、年々栽培が難しくなって、農薬の使用量が増えていく。
中には栽培が難しくなったのは異常気象だからでは?ということまで挙がる。
弱毒性のものを使い続ける怖さというものを痛感する。
野菜が育たなくなるような栽培は一般的には環境に優しいと言われる有機物を用いた栽培だった。
有機物を投入して育てた野菜は体に良いし環境にも良いと思い込んでいるステレオタイプの人は今回の話をどのように受け止めるのだろうか?
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