悪臭があるところに重曹(炭酸水素ナトリウム)をまくと臭いが消えるのはなんで?と質問された。


ちなみに炭酸水素ナトリウムの構造は、


layer1


こんな感じ。

右のHCO3-の箇所でアルカリ性になるね。


で、消臭の話になるけど、

臭いの原因物質があったとして、人が臭いと感じるためには、

原因物質が気化されて鼻に届かなければならない。


その条件を踏まえた上で、

臭いを消すためには

・空気中にある臭いの成分濃度を薄める

・臭いの成分を分解する

・臭いの成分を固定して気化できない様にする


これら三つの方法のどれかが常套手段として考えられる。


一つ目は部屋が臭かった場合とかに行う換気だよね。

これで大体解決!


二つ目は飛ばして、

三つ目の方法がよく行われているはず。


炭酸水素ナトリウムは物質の分解は行わないので、

三番目の化学反応で気化できない様にするというのが正解のはず。




いろんな情報を見ると、

臭い箇所に重曹をまくと臭いが消えるのは重曹が臭いの成分を中和してとか書いてあるけど、

中和して臭いが消えるのか?と疑問を持ってしまった。


そもそも臭いを考えてみると、

代表格は刺激臭のあるアンモニア(NH3)

アンモニア - Wikipedia


水に溶けると、

NH3 + H2O → NH4+ + OH-

でOH-が増えるのでアルカリ性になる。


そこに重曹を撒いたとしても、

こちらもアルカリ性で何のことやらさっぱり…?


NaHCO3 + NH4+ + OH- → (NH4)HCO3 + Na+ + OH-

炭酸水素アンモニウムになって沈殿するということがあれば納得だけど、

炭酸水素アンモニウムは水溶性で刺激臭もある。


因みに炭酸アンモニウムは


Ammonium_bicarbonate

炭酸水素アンモニウム - Wikipedia


こう


う~ん、違うものを見ている可能性が高いな。


ということで、

臭いそのものから調べていった方が良いな。


-続く-