トマト果実の割れを回避するために気孔の開閉と光合成を考えるの記事の内容を投稿の為に整理している時、植物はいつプロリンを合成するのか?の内容を改めて読んでみた。
乾燥時に見られるプロリン等の合成による葉のイオン濃度の上昇は高温時にも見られる事を改めて見た。
高温時に何故、葉のイオン濃度を高めるのか?
今回はその事について考えてみることにしよう。
葉内のイオン濃度を高める最大の利点は根からの水の吸い上げを高める事になる。
根から吸い上げた水を葉に貯め、その水を気孔からすぐに蒸散させると、気化熱により葉温を下げる事が出来る。
高温時に常に気孔から蒸散させることができれば、葉温を下げる他に、周辺の湿気を保つ事が出来るわけで、
光合成の質を高める事ができるようになる。
はやくに土から水を吸収し尽くすことで、根からの気孔を閉じる信号(アブシジン酸)の合成の誘導にも繋がるかもしれない。
これらの内容を加味すると、高温で葉のイオン濃度を高める事によって、土の水の枯渇の時期がはやくなり、更に葉のイオン濃度を高める事に繋がる。
次に降雨等で土の水分が増えた場合、葉のイオン濃度は高いままなので、根は急速に吸水を始める。
夏場の雨の後に急速に成長するように見えるのは、高温ストレス直後の葉のイオン濃度を高める生理現象に因るものなのかな?
なんてことを思った。
高温ストレスと降雨を繰り返す事が植物にとって強靭な株になる為に良いことなのか?
それともこのストレスの変動は後の耐性の低下に繋がるといったことがあり悪いことなのか?
そこらへんが分かれば、作物はトマトではないが、
昨年の猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討するの記事で話題に挙げた稲作の中干しの判断がより明確になったりする。