ざくろ石帯とはどんな所?までの記事で地質図にあったざくろ石帯について見てきた。
地質図を引き続き眺めていたら、時々訪れながらも一度も地質図を見ていなかった地域で他の地帯の名称を見かけたので、その地帯について調べてみることにする。
気になった地帯は黒雲母帯という表記になっていた。
木津川市で栽培をしている方の畑では、白っぽい土質で、時々綺麗な小石が転がっていることに気になっていた。
それと黒雲母帯が何か関係していたりするのかな?
黒雲母については造岩鉱物の黒雲母を見る1の記事で触れた。
黒雲母と命名された鉱物はなく、金雲母と鉄雲母の固溶体を黒雲母と呼ぶ。
それを踏まえた上で、黒雲母帯について検索をしてみると、地質の概要|京都府レッドデータブック2015にたどり着いた。
今回着目している地域は木津川構造線と呼ばれ、地質図で示した箇所は北部であるため、丹波帯に分類されるようだ。
どうやら黒雲母と絹雲母を含む泥質千枚岩が主の岩石でありそうで、この岩石が変成作用を受けている。
読み進めてみると、
Didier Descouens - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
木津川構造線北部では菫青石(きんせいせき:化学組成:Mg2Al3(AlSi5O18))があるそうで、この鉱物が分解されると白雲母や緑泥石に変化するそうだ。
上記のWikipediaでは菫青石が分解した時の断面が花びらと見られることから、桜石と呼ばれるということも記載されていた。
桜石といえば、京都府の石、桜石の記事で触れた。
話は戻るが、菫青石が風化すると白雲母や緑泥石に変化ということは、これらの鉱物はすぐに2:1型粘土鉱物になるわけで、今回の地域で時々見られる黒ボク土は黒雲母や菫青石由来になるのか?