大雨の最中や翌日に川を見ると、混濁した水が流れている。
この水はどこに行くのか?と言えば、もちろん下流から海へを流れる。
この混濁した水には何が含まれているのか?といえば、上流にあった砂利とか土とかだろう。
土にだけ焦点を絞ってみると、
土といえば(粘土)鉱物と有機物で、有機物と言えば炭素を含んだ化合物で糖とかタンパクとか、それらが分解された時に発生する有機酸等も有機物になる。
混濁した川の水がいずれは海に到達すると、
長い時間をかけてゆっくりと海底に堆積していく。
海底で形成される泥岩という石には有機物が含まれ、有機物が長い期間をかけて変化した石油も泥岩(実際には更に変成した頁岩)の隙間から見つかる。
何が言いたいのか?というと、先日記載した大気中の温室効果ガスを減らしたいで、川からの土砂が海底に堆積しても二酸化炭素由来の有機物が固定されるということ。
雨は大気中の二酸化炭素を調節しているのだなと。
海に到達した有機物は海底という嫌気的な環境において様々なバクテリアやメタン生成アーキアによってメタンに変わる。
一例を挙げると、グルコース(C6H12O6) → 酢酸 or ギ酸等 → メタン(CH4)
※ここらの反応は共立出版 アーキア生物学を読むことをおすすめする。
各用語に触れると、バクテリアは細菌、アーキアというのは古細菌のことで、古いという文字があるけれども、細菌よりも古い細菌という意味ではなく、分類的には古細菌は細菌とかなり遠い生物として扱われる。
そのメタン生成アーキアが、バクテリアによってエネルギー絞り出し尽くした有機酸から更にエネルギーを取り出し、最終的にCH4という単純な化合物へと変えて排出する。
海底にメタンが溜まっていく。
海底には定期的に川から土砂が流れてきて堆積するので、海底の冷たさと上からの圧で、生成された低温高圧の環境の環境におかれることになる。
この条件って、次世代のエネルギーとしてちょくちょく話題に挙がるメタンハイドレートか!
地球規模で見ると、メタンはCH4で酸素がないので、二酸化炭素CO2が減って、酸素が増えたことになる。
雨が大気中の二酸化炭素濃度の調整を行っているという見方が正しければ、今の社会だと大雨による水害が増え続けるんだろうなと簡単にイメージ出来る。
覚悟しないと。
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