先日、栽培の土作りの視察に行くとするならばどこか?という話題になった。
この質問を挙げた方は近々、グループで宮崎のとある秀品率の高い地域に視察に行く予定らしいが、宮崎という環境に視察に行くことが自身にとって本当に価値があることなのだろうか?という疑問があると言う。
この質問に対して、私と全国を渡り歩いている方の意見は一致して、視察に行くのであれば、赤黄色土のある渥美半島に行くべきだと告げた。
渥美半島というのは愛知県の南部にある半島で、古土壌として扱われることが多い赤黄色土という土質が広がる地域である。
他の地域ではまともに栽培が出来ない程土が酷使されていて、露地栽培では施肥の前にほぼ必ず客土を行ってから栽培を始めるそうだ。
あまりに悪い土質であるため、水耕栽培が発達したという歴史もこの地域にはある。
このような地域では自然と全体での知識や技術レベルが高まる。
一方宮崎といえば、
黒ボク土が広がり、気候の面でも比較的恵まれている地域だ。
学者は黒ボク土は栽培しにくいというけれども、黒ボクとそうでない土を経験した身としてはそうは思わない。
ここで私が師の元で栽培を学んでいた時に聞いた話を持ち出すと関東で研修をした方が関西に行くと破産して逆に関西で研修した方が関東に行くと成功するという言葉があった。
ここでいう関東というのが茨城県周辺を指し、関西というのが京都近郊を指すらしい。
実はこの話は茨城県で研修した方が京都に戻ってきた時に感じたことを元に言われた話なのだけれども、トラクタで耕した時の刃の消耗が茨城と京都で全然違っていて、土の硬さから堆肥の使用量や肥料の悪影響の部分の出方も大きく異なっていたらしい。
ちなみに関東の農業圏である茨城も
辺り一面に黒ボク土が広がっている地域だ。
視察に行くならば、地質土質の面で栽培に恵まれていない地域での試行錯誤を見た方が絶対に良い。
土に対する理解を深めれば、試行錯誤の内で自身の地域ではどれが有効な手段であるか?を選択できるはず。
地質に恵まれている地域だと、人為的にはどうしようも出来ないことがあるから参考にならないことが多いはず。
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