石炭紀を生きたスギナの祖先は大きかったで恐竜が誕生する以前、スギナの祖先にあたるシダ植物のトクサは大きかったという内容を記載した。
この情報は、

FPDM: 博物館の出版物「恐竜のくらした森 ―恐竜は花を見たか?」
恐竜は花を見たか?という本を読んだ際に知ったことで、他にも非常に興味深い内容を知るきっかけでもあった。
花の誕生、もっと細かく言えば被子植物の誕生こそが、恐竜が絶滅するきっかけになったのではないか?という説がある。

草食性の恐竜はメタセコイヤのような裸子植物の葉であれば食することができるけれども、後に誕生した被子植物の葉を消化することが出来なかったという考え方である。
ここには少し違和感が生じる。
なぜならば、現代人にとってスギやヒノキといった裸子植物は森に生える様々な被子植物の木よりも遥かに成長が速いというイメージがあり、それ故、

戦後に木材供給を目的として裸子植物の木の植林を行い、植林を行ったのは良いが木材輸入に伴い需要が減り、植林した多くの裸子植物が残り花粉症に繋がったという経緯がある。
恐竜の話に戻って、裸子植物のみ食することが出来る恐竜が食料不足で絶滅したとなると、成長が速いはずの裸子植物が減って、その分、被子植物が勢力を拡大したということに繋がる。
なぜ成長が速い裸子植物が追いやられ、成長が遅いはずの被子植物が反映したのだろうか?
そこには花粉と受粉の進化があると言う。
被子植物とスギで連想するものとして花粉症がある。
花粉症といえば、

花粉を飛散させることだろう。
一方、被子植物の花粉で連想するものと言えば、

(写真の花は樹木ではないが)昆虫等を媒介した花粉の運搬だろう。
裸子植物と被子植物の大きな違いは、花粉の取り扱い方法と受精にかかる期間になる。
詳しい時間は忘れたが、被子植物が数分に対して、裸子植物は数ヶ月〜1年以上要するらしい。
受精というものは、精細胞を作り出すのにも多大なエネルギーを要し、散布にも多大なエネルギーを要する。
もちろん受精にも多大なエネルギーを要するわけで、

スギのように花粉を膨大に作って風による散布はロスが大きいし、受精に長い時間を要するのであれば、その間に被子植物は何度も交配を試してより強い個体が誕生している。
そうこうしている間に、裸子植物は恐竜に食べられ、恐竜が少ないであろう寒冷地へと追いやられていった。
寒冷地という生育しにくい環境で効率的に伸長できるように進化した裸子植物は温暖地に戻ってきた時の好条件の環境によって驚異的なスピードで伸長できる。
そこに目を付けた人々が、山に裸子植物を植林したということになる。
今回の話を踏まえた上で、水草と開花と花粉の話に続く。
温暖環境を要因とした驚異的な伸長は、幹の丈夫さよりも伸長することが優先されるはずでそれ故、幹の強度が弱くなる。
スギ林というものは台風に非常に弱い為、今年の台風21号でスギ林がなぎ倒されている風景をよく見かけた。
進化に逆行するようなことをすると、自然災害に対して非常に脆くなってしまう。
古生物学と進化で得た知見から、これからの人の生き方というものを見直す必要があるのだと感じることが多い今日この頃。
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