関西にきて不思議に思っていたことがあった。
関西、特に京都では客土って何?と聞かれることが非常に多いこと。
関東にいた頃に家業を継いだ同期らが、
日常的に土質改善のために真砂土みたいな土を畑に入れていたし、
目が非常に細かい川砂を入れていることが多かったので、
客土は定期的に行われているものだと思っていた。
だけど、関西(特に京都)にきて、
客土を行っていないどころか、客土という名称自体知らない方が多いことに驚いた。
先日、客土が頻繁に行われている地域に訪れた時に、
客土用の土は周辺の山に調達しに行き、
用途に応じて、山の表土をとるか、露頭している箇所の少し深いところから採取するかを決めている
と聞いた。
なんでだろう?
と考えてみた時に大阪高槻の本山寺周辺のことがふと頭に浮かんだ。
おそらく客土で有効な玄武岩質的な箇所は局所的だったなぁと
山頂付近に行ってはじめてまとまって分布していた。
京都市内で栽培が盛んな久御山に目を向けてみて、
市内と周辺の山を俯瞰してみても、
※山は左右の色が濃くなっているところ
二酸化ケイ素含有量が非常に多いチャート(オレンジ)や構成がよくわからない付加体(薄い緑)が多く、
玄武岩質的な箇所(濃い緑)や真砂土の元になる箇所(ピンク)が局所的になっている。
山にいっても、付加体由来の、しかもチャート由来の分布が多そうな土や砂しか入手できない。
これらの背景を踏まえて、下記のようなことを勝手に想像した。
昔、客土に似たような手法の話が京都にもやってきた。
この客土を試そうと周辺の山から土を持ってきたけれども、
劇的にミネラル欠乏系の症状が改善されることはなかった。
だから客土が定着しなかった。
川砂にはミネラルがあるという話を聞いた方が試しに入れて良かったからひっそりと客土し続けている人がいる程度。
今まで訪れた客土が一般的に行われてる地域は
山の地質、土質がわかりやすい程物理性良好だったからな。
もしくは畑地の土質が地域全体で壊滅的にダメだったか