京都市内で営農されている方の間で、ネギの連作で土が疲弊してきたら、一度水田にしてイネの栽培をかますことで土を回復させるという話が時々挙がる。
回復という表現はおそらく
畑に入水することによって、水に溶けているミネラルやコロイド化した粘土鉱物が入ってきて、土壌粒子の構成を変える意味合いもあるだろうけれども、土壌に残留していた肥料分を水に溶かして排出するという意味合いもあるだろう。
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と思っていたけれども、残留していた肥料分を水に溶かして排出するよりももっと素晴らしい効果があるのではないか?ということを
カブトエビまでの一連の記事で思えてきた。
栽培中に溜まる成分といえば、牛糞等の家畜糞堆肥であれば、おそらく窒素分、リン酸とカルシウムあたりではないだろうか?
露地であっても、水田特有の硬盤層で作土層の下の方には窒素分が溜まっているはず。
春の入水後に緑藻が繁茂したの記事で緑藻が急激に増えたことから、リン酸が多かったことが伺える。
その後に硬い殻を持つカブトエビやタニシが増えたことで、おそらくだけれども殻の硬さの要因となるカルシウムを積極的に摂取して利用するはず。
カブトエビやタニシが田から水を排水する際にいくつか用水路に流れ込んだら、その時点で大量のカルシウムは畑の外に排出されることになる。
カブトエビは泥に溜まった有機物を餌にするという記述があった。
おそらくこの餌の有機物というのは緑藻の死骸や緑藻の後に急激に増殖した動物プランクトンの死骸が堆積したものだろうから、水溶性の無機成分が有機成分に変わって堆積していることになる。
これらをまとめると、露地野菜の連作の後に水田をかますことで養分を流し出すのではなく、形を変えて土壌に堆積させているのではないだろうか?
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