腐植関連の論文を色々と眺めていたら、土壌中の有機物が色々と結合してという表現を見かける。
その中にはタンパク質やアミノ酸という表現もあった。
腐植の主の骨格をフェノール性化合物に因るものであるとするならば、フェノール性化合物とアミノ酸等が作用し合う内容を把握しなければ更なる理解を得ることは出来ないと思い、ポリフェノールとアミノ酸(もしくはアミド)の反応を調べてみることにした。
何故唐突にポリフェノールという名称を挙げたのか?
それは食品系の話にまでまたがって調べることが出来るので、今以上に視点が広がることを期待出来るはず。
ワインの記事でも記載したけれども、ポリフェノール間でアルデヒドが架橋となって重合したという内容は自身の視野を大幅に広げた。
というわけで上記の内容で検索してみたところ、ポリフェノール,化学反応を基盤とする機能性物質抗酸化反応から成分間反応まで 化学と生物 Vol. 53, No. 7, 2015という解説に行き着いた。
上記の解説にはポリフェノールの定義等が記載されていたので、先にそちらを紹介しておくと、ポリフェノールのシアニジンを例にして、
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芳香族環(六角形)に二つのフェノール基を有するもので、
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少なくとも二つのフェノール基の水素(H)が他の物質に与える(共役関係)ことが出来ることが必要となる。
※六角形の個所に二つのOHがついているもの
細かい個所は端折るけれども、O-HからOが外れることで反応性が高くなり、それが食品でいうところの抗酸化作用へと繋がっていく。
上記で紹介した解説中にポリフェノールの一種であるカフェ酸(コーヒー酸)にアミノ酸のシステインが結合することで抗酸化持続時間の増大の話題があった。
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カフェ酸の芳香族環に
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システインが結合することで、
※ポリフェノール,化学反応を基盤とする機能性物質抗酸化反応から成分間反応まで 化学と生物 Vol. 53, No. 7, 2015 446 図7より一部抜粋
上記のようなシステイニルカフェ酸になる。
この物質が食肉の色に関与するという話題であったけれども、今回は触れないことにする。
今回の内容によりポリフェノールの理解が少しだけ進んだ気がする。
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