イネのサクラネチンに引き続き、羊土社 基礎から学ぶ植物代謝科学に記載されている経路を眺めていたら、モミラクトンという物質が目についた。
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モミラクトンにはAとBがあり、ジテルペノイド(炭素数20に分類されるイソプレノイド)に分類される。
イソプレノイドについて軽く触れておくと、ピルビン酸やアセチルCoAという物質から様々な反応を経て、
By Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
イソペンテニル二リン酸(以後はIPPと略す:炭素数5)と
ジメチルアリル二リン酸(以後DMAPPと略す:炭素数5)が出来、
これらが直鎖状に繋がったものがイソプレノイドとして扱われる。
直鎖状になって、折りたたまれて閉環したものもイソプレノイドとして扱われる為、モミラクトンのような構造もイソプレノイドに含まれる。
ちなみにピルビン酸やアセチルCoAからIPPもしくはDMAPPが合成される経路の事を、ピルビン酸を開始とするものを非メバロン酸経路(MEP経路)と呼び、アセチルCoAを開始とするものをメバロン酸経路(MVA経路)と呼ぶ。
話は戻ってモミラクトンだけれども、下記のように説明文が記載されていた。
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イネなどの植物が根から滲出やストレス応答的に生産される抗菌成分である。幅広い生物活性を保持し、植物に対して他感作用(アレロパシー活性)を示す。もみ殻に多く含まれるラクトン化合物であることから、その名前がつけられたとされる。近年、動物細胞への生物活性も報告されており、抗がん剤としての可能性にも期待がもたれている。
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※羊土社 基礎から学ぶ植物代謝科学 70ページより引用
このモミラクトンは稲作が広まった要因であるはずだから、もっと深く理解しておく必要があるはずで、次回の記事でさらに見ていくことにしよう。
-続く-
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