フルキサメタミドの作用機構という記事で、昆虫の神経におけるGABAの働きを見て、GABA周辺に作用する殺虫剤の作用機構も合わせてみた。

殺虫剤は神経に作用するものが非常に多いみたいだ。


となると、

今まで見てきたアセチルコリンやGABA以外で利用されている神経伝達物質も見ておくと、今後何らかのヒントになり得るかもしれない。

逆相関の交差抵抗性


というわけで、朝倉書店 新版農薬の科学を開いてみると、

神経伝達物質の例として、

アセチルコリン、GABA、グルタミン酸、グリシン、オクトパミンとチラミンがあった。

朝倉書店 新版農薬の科学 42ページを参考

オクトパミン - Wikipedia

チラミン - Wikipedia


次に気になるものといえば、

これらの神経伝達物質はどのように使用されているのか?

になるけれども、


非常に古い内容になる且つ、記載時点では他の昆虫と共通であるかわかっていないとのことでバッタを例にしてあるが整理されたものがあったので引用すると、

shinkeidentatsubussitu

理化学研究所ニュース No.55 Jan.-1979 脊椎動物と昆虫における神経興奮伝達の仕組み 4ページより引用


上の図を見ると、

人を含む脊椎動物では、体制筋や内蔵筋といった神経筋接合部の神経伝達物質はアセチルコリンだけれども、昆虫では各々で異なっている。

γ-アミノ酪酸がGABAであるため、冒頭で記載したリンク先の記事の内容と一致する。


ざっと眺めるだけでも、

脊椎動物と昆虫の神経は大きく異なるのだなと思う。


体制筋の神経伝達物質がグルタミン酸となっていることで、

ハチは糖原性アミノ酸のプロリンを持って遠くへ行けるの記事を思い出した。


ハチが代謝するとすぐにグルタミン酸になるプロリンを蓄えることは、体制筋を即座に使用するためというようなことはあるのだろうか?