生物系の今年一年の振り返りをしてみる。

今年で一番大きな事といえば、


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秀品率が高い畑の土のリン酸値は低かった等の記事で触れた土壌分析における無機リン酸の量の話だろう。

当サイトでは無機リン酸の量に関して話を曖昧にしていたが、この話は技術顧問で関与している株式会社京都農販の事業で得られた知見を元に再検証したものとなっている。

※詳しい内容は下記のページに記載あり。

研究開発 | 株式会社京都農販


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土の物理性と化学性を粘土鉱物 + 腐植質肥料で向上を基本として土壌改良を行うが、これだけでは病気の発生を抑える事が出来ない。

緑泥石から土の形成を考える


土壌環境を向上させた後に更に基肥で意図的に無機リン酸を加えないという事で病気の発生を抑える事ができるという傾向が見えてきた。

ただ、リン酸は肥料の三大要素であるため、どこまでリン酸施肥を抑えて良いか?という疑問があったが、今年の検証により、冒頭のグラフまで切っても問題なさそうだという事がわかってきた。


これではリン酸欠乏になってしまうのでは?という不安があるかもしれないが、その不安は廃菌床堆肥の恩恵を得る為に無機リン酸の使用を見直すの記事で解消している。


リン酸肥料は海外依存率が非常に高いものであり、リン酸の使用を控える事ができるのは日本国内にとって大きなプラスになるだろう。

リン酸を控えることで栽培が好調になれば、農薬の使用量も減らす事ができ、農薬の製造と散布分の燃料の使用も抑える事が出来、気候変動にも良い影響を与える事ができる。


来年は今年得られた知見を実際の栽培に適応させることを予定している。




余談で技術顧問先の話なんだけれども、


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試験ほ場で遊びで設けたマルチなしのネギ栽培で、畝をマルチで覆っていなくても草がほとんど生えてこず、除草作業が発生していない。

※通路は草ぼうぼうになっている


これは野菜の美味しさとは何だろう?の記事で記載した師の畑で見たダイコン栽培での草の生え方と同じだった。

師の畑で見た奇跡のような現象に対して、また一つ近づいた気がした。


これが無農薬栽培への道なのだろうな。


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