大阪府高槻市にある芥川緑地の端。
ここの写真は以前も何度か話題に挙げた事がある。
冬の写真とか。
この場所は注目していて、ブナ科の落葉樹(おそらくアベマキ)と常緑樹(おそらくアラカシ)の棲み分けが一目瞭然で、森林を学ぶ上で良質な教材になると思っている。
冬の写真と比べることで、アラカシを囲うようにアベマキが展開していて、光の競合でアラカシが負けているように見えるが、実は負けておらず棲み分けをしている事がよくわかる。
耐陰性が弱いアベマキは根元にドングリを落としても、耐陰性が強いアラカシに負けてしまうはずで、アベマキは林の外側(写真手前側)に向かって生育域を広げなければならない事が容易に想像出来る。
話は個々の木に移す。
これらの木を比較しながら見ることで他にも学んだ事がある。
おそらくアベマキであろう落葉樹の木をよく見ると、
当たり前だけれども、新しい葉が展開していた。
色が薄くてきれいな葉だ。
一方、常緑樹のカシの方を見てみると、
こちらも春の陽気に合わせて新しい葉を展開していた。
注目すべきは昨年の葉を覆うように新しい葉が展開していること。
常緑樹の葉にも寿命というものがあるので、新しい葉が出るのは当たり前の話だけれども、落葉樹と同じようなタイミングで新しい葉を出すのは観察していないと分からない事。
これらの内容から、ブナ科の落葉樹は春の陽気で新しい葉を展開する事を先に獲得して、その後に温度をシビアに感知して落葉する性質を獲得したのだなと想像が膨らむ。
落葉性という代謝の効率を高めて、成長を速くしたとしても、生存競争で必ずしも優位にはならない例として学ぶことは多いなと。
代謝の効率を高めると、森林の外側に生存の領域を広げる事が出来るが、森林の内側に戻ることはできない。
今回に似た内容でもっとダイナミックな棲み分けは高槻の隣の島本町にある若山神社で見ることが出来る。
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