土作り後のレンゲ + 中干し無しの田んぼの畦に
カエルがたくさんいた。
カエルは田で最も防除が難しいカメムシ目対策の切り札みたいなもので、カエルをたくさん見かけるのは嬉しい。
畦のカエルは田にオタマジャクシがたくさんいたので、ここで変態したカエルが大半なのだろう。
ここでふと気になった。
カエルはいつ産卵して、オタマジャクシの時期はどれ程なのだろう?
中干しで田の水を無くすと、水路に逃げられなかったオタマジャクシは死んでしまうかもしれない。
田植えから中干しまでの期間、中干しから収穫までの期間を考えると、中干し有りの田では最長で2ヶ月程しか常に水がある状態にはならない。
中干し無しであれば、3ヶ月以上常に水がある状態になるので、オタマジャクシの変態には十分な期間となるのだろうか?
例えば、アマガエルであれば、4〜9月に産卵でオタマジャクシの期間は1ヶ月半程になるらしい。
であれば、中干し有りの田の中干し前の期間でも変態はギリギリで間に合う。
ただし、産卵する場所は植物の茎なので、ある程度成長したイネの株でないとカエルは田に卵を産卵できないので、イネの成長具合と中干しの逆算からカエルへの変態は間に合わない。
中干し後はイネの株は丈夫になっているので産卵場所の条件として満たすが、収穫までの間に1ヶ月半水を張りっぱなしにすることはないので、カエルへの変態は間に合わない。
他のカエルはアマガエルよりもオタマジャクシの期間が長い傾向にあるので、中干し有りの田では他のカエルの変態は無理だろう。
カエルの個体数が増えないという観点から、中干しはその後の稲作の栽培を困難にすることは確実だ。
※稲作の防除が最も難しいカメムシ目の昆虫は殺虫剤がほぼ効かないので、天敵の利用は必須。
関連記事
オススメの記事
アマガエル幼生の水稲用農薬に対する感受性 ー水辺の生きものに対する農薬の影響を調べるー 農環研ニュース No.107 2015.7