Al型リン酸の蓄積の問題に対してダイズの栽培はどうだろう?までの記事でラッカセイやリン酸でAl型リン酸の蓄積問題を解決することを見てきた。

Al型リン酸の蓄積に対して、シュウ酸が有効なのは確実そうで、それであったらシュウ酸から続く無農薬栽培への道の記事で触れた糸状菌の菌糸の先端でシュウ酸の分泌が活発な事の詳細も見ておいた方が良さそうだ。


というこで早速、キノコとシュウ酸で検索をしてみたら、リグニンの分解辺りでシュウ酸の働きについて記載している読み物にたどり着いた。




渡辺隆司 選択的白色腐朽菌によるバイオマス変換と脂質関連ラジカル制御因子 - 木材保存 Vol.33-3(2007)に拠ると、木の難分解性であり、糸状菌から見たら硬い壁のような有機物に糸状菌が侵入して分解する際にスーパーオキシド(O2・-)はギ酸ラジカル(CO2・-)から生成される。

ギ酸ラジカルは

Mn3+ + C2O42-(シュウ酸イオン) → Mn2+ + CO2・- + CO2

のようにシュウ酸でマンガン(Mn)の還元を行う際に生成される

※上記反応はマンガンペルオキシダーゼによる反応


他にもシュウ酸が関与している反応はあるが、記載はここまでにしておいて、今回重要なのはシュウ酸が関与しているということ。


キノコが木材から養分を取り出し菌糸を伸ばしている時に分泌されているであろうシュウ酸は、すべてがリグニンを緩める為に用いるわけではなく、一部はきっと周辺の鉱物に影響を与えているはず。


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過酸化水素が関与する酵素


であれば、土壌に施した木質資材からキノコが生えている事が見れた時、もしかしたら土壌のAl型リン酸の蓄積の問題は少しは解消しているのかもしれない。

キノコが木材を分解している時、シュウ酸の分泌を促すように米ぬかのようなカロリー多めの炭水化物を同時に施しておきたいものだ。


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