ポリフェノールと生体内分子の相互作用1の記事で、ポリフェノールとタンパク等の生体内分子の共有結合について見た。
この内容により、ポリフェノールから腐植物質へ変わっていく際の重要な過程の解像度が上がったように感じている。
今回は触れる順が逆になったが、化学的に弱い結合について見ていくことにする。
※図:ポリフェノールの科学|朝倉書店 34ページより引用
上の図はポリフェノールの構造に起因する相互作用の例について示したものとなっている。
水素結合と配位結合は保水性や保肥力に直結する内容なので、所々で話題に挙がる内容であるが、π-π相互作用については本書で初めて触れた。
ベンゼン環が重なり合う結合があるということを頭の片隅に入れておくことにしよう。
ベンゼン環に関しては、
※図:太田博道著 これならわかる生物有機化学 - 三共出版の42ページより引用
CH-π相互作用やカチオン-π相互作用等の結合もあるそうだ。
π-π相互作用やCH-π相互作用は腐植物質を立体的にする要素であるため、おそらく土壌中でもこれらの反応はあり得るだろう。
これらのことを頭に思い浮かべながら有機物を見ると、色々とイメージが膨らんでいく。