揚げ物の衣を理解する上で重要になるデンプンの糊化後の硬化の記事でデンプンの糊化と硬化について触れた。
硬化までの内容を踏まえた上で、
小麦粉について触れていくことにしよう。
フライドチキン(唐揚げを含む)で使用している小麦粉は薄力粉になる。
薄力粉の定義はタンパクの含有量が6.5〜8.5%程度とされる。
この時に含まれるタンパクはグルテニンとグリアジンと呼ばれている。
グルテニンとグリアジンを合わさった網目状のタンパクをグルテンと呼ぶそうだ。
※網目を形成するのはタンパク内での強力な結合のジスルフィド結合に因る
グルテンには粘り気がある。
片栗粉のカタクリの記事でフライドチキンの衣では主が薄力粉で、片栗粉を少量加えるという内容を記載した。
薄力粉と片栗粉を混ぜるとどうなるのだろうか?
生成AIのGeminiに聞いてみたところ、下記の返答が返ってきた。
グルテンネットワークの希釈
デンプンはグルテンの間に存在するため、グルテンタンパク質同士の結合を妨げ、グルテンネットワークの形成を弱める。
これにより、生地の弾力性や粘りが低下する。
生地の構造への影響
デンプンはグルテンネットワークの中に分散し、生地の骨格の一部を形成する。
デンプンの種類や量によって、生地の硬さ、口当たり、焼き上がりの食感が変化する。
例えば、デンプンが多いほど、焼き上がりは柔らかく、もっちりとした食感になる傾向がある。
水分との競合
グルテンとデンプンはどちらも水を吸収する性質があるが、その速度や保持する水の量が異なる。
このため、混合比率によって生地全体の水分状態が変化し、生地の物性や保存性に影響を与える可能性がある。
上記の説明だと、グルテンの間にデンプンが入り込むという内容になるが、フライドチキンの衣で用いる薄力粉ではタンパク含量が8%程度であり、大半はデンプンが占めている。
であれば、グルテンの間にデンプンが入り込んだ塊を更にデンプンが覆うといったイメージになり、
前回のイラストでいうところのα-デンプンがグルテンを覆うといったイメージになるはず。
デンプンの塊の中に粘り気のある網目状の構成が入り込んだというところか?