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薄力粉とグルテンまでの記事でフライドチキンの衣で用いる薄力粉と片栗粉について見てきた。

これらの内容を踏まえ、


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片栗粉のカタクリの記事で触れた揚げたてで食べるなら片栗粉のみで、冷めても美味しいのが良いなら小麦粉のみについて考えてみよう。


片栗粉のみ、つまりはほぼデンプンで構成されている粉は、


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デンプン間にある水素結合が切断され、その箇所に水分子が入ることで糊化し、一気に加熱することで多孔になる硬化によって衣を形成する。


一方、グルテンを含む薄力粉は、網目状で弾力のあるグルテンネットワークの中にデンプンが入り込む他にグルテンネットワーク自体をデンプンが覆っている可能性もある。


つまりはデンプンの硬化によって多孔になっているが、他の箇所には網目状のタンパクが充填されているといったイメージになるだろう。




ここでお弁当に唐揚げを入れることをイメージしてみよう。

蓋の裏についた水滴が唐揚げの衣に戻るということが起こる。


衣が水を吸うと、ほぼ確実にデンプンの多孔に水分子が入り込んで衣がふやける。

この時、デンプンの多孔の一部が弾力のあるタンパクであれば、タンパクの箇所の食感はおそらく変わらない。


であれば、グルテンを含む衣の方が水滴による食感の変化は小さいはず。

どのように唐揚げを食すかによって粉の配分を変えるのは面白い。