鶏糞がメタン発酵に向いていないとされた理由は何か?の記事で鶏糞を原料としたメタン発酵発電は難しいという話題に触れ、その理由がC/N比が低いからという内容を記載した。
なぜ、C/N比が低いとメタン発酵は難しいのか?
今回は深堀りしてみることにしよう。
鶏糞のC/N比を低くする要因は、
尿酸というプリン体の有機態窒素に因る。
この尿酸は見ての通り、窒素(N)を豊富に含みつつ有機酸ではない。
尿酸は微生物の働きにより、
尿素になる。
この尿素が更に分解されるとpHが上がる。
具体的な反応は
CO(NH2)2 + H2O → 2NH3 + CO2
2NH3 + 2H2O → 2NH4+ + 2OH-
で一つの尿酸から2つの水酸化物イオン(OH-)ができ、これがpHを上げる要因となる。
このpHの上昇がメタンの生成に関与する微生物が活動しにくい環境にする要因となるらしい。
家畜排泄物のメタン発酵の際に生成される消化液に土壌改良の効果はあるか?の続き