ゼオライトの風化の理解を深めるために濁沸石を見るまでの記事で風化しやすいゼオライトとそうでないものを見てきた。


今までの内容を整理するとゼオライトはSiとAlで骨格を形成して、Si/Al比が低い程(Al多め)、負に荷電する箇所が増えてCECが高くなる


ただ、ゼオライトの風化はAlの箇所から始まる為(脱アルミ化)、CECが高いゼオライト程風化耐性が低いという事になる。


天然ゼオライトで産業に利用されるものとして、


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By Rob Lavinsky, iRocks.com – CC-BY-SA-3.0, CC BY-SA 3.0, Link


硬質ゼオライトのモルデナイトと、


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By Christian Rewitzer, CC BY-SA 3.0, Link


軟質ゼオライトのクリノプチロライトがある。


上記の話であれば、軟質ゼオライトの方が風化耐性が低いのでCECが高くなる傾向にあるが実際のところはどうなのだろうと疑問になり調べてみることにした。




上記で挙げた2つのゼオライトとCECで検索をしてみたところ、大森保幸等 天然ゼオライトを充填したアンモニウムイオン除去装置の簡易設計 - 水環境学会誌 第22巻 第10号 845-853 1999で秋田、宮城と島根で採掘したゼオライトのCECが記載されていた。


採掘した場所によってCECが異なるそうなので、各ゼオライトのCECの範囲を見てみることにする。


ゼオライト一覧は847ページに表の記載があり、モルデナイトはM、クリノプチロライトはCで示されていた。


硬質ゼオライトのモルデナイトのCECの範囲は117〜169で、軟質ゼオライトのクリノプチロライト118〜175だった。


予想では軟質の方が硬質よりも範囲が全体的に高い数値になると思っていたが、実際はさほど差がない。


それよりも、何処で採掘したか?によってどちらのゼオライトもCECの値の差が大きい事は意識しておいた方が良いかもしれない。