Dimethylpyrazine


ジメチルピラジンという化合物がある。

この化合物は


33583443_s


ジメチルピラジンはコーヒー等を焙煎した時のメイラード反応で生成されるピラジン系香気物質になる。


このジメチルピラジンだけれども、香気物質の他にも重要な機能が有り気になっている。

その内容というのが、植物病原性の細菌に対して抗菌作用を示す可能性があるということだ。

※上記の内容に対して、確証は得られないので、可能性がある程度に留めておく。

Role of Volatile Organic Compounds Produced by Kosakonia cowanii Cp1 during Competitive Colonization Interaction against Pectobacterium aroidearum SM2 - MDPI


香気物質であることには変わりないので、抗菌作用があったら良いな程度で話を進めても十分価値があるので、このまま話を進める。




ジメチルピラジンの更なる理解の為にはメイラード反応の理解を深めなければならない。

米ぬか嫌気ボカシ肥作りのメイラード反応の続きの記事でアミノ酸のアミノ基とグルコース等の還元糖のアルデヒド基が反応してアマドリ化合物が生成されるというのが最初の反応だと記載した。


その後に脱水、分解、縮合を繰り返してメラノイジンになるそうだが、その辺りがわかっていない(個人的な話)。


というわけで、アマドリ化合物あたりから見ていくことにする。




まずはアマドリ化合物の例を挙げておく。


Skeletal_Structure_of_Cyclic_D-Fructose

Darkness3560 - 投稿者自身による著作物, CC0, リンクによる


フルクトース(果糖)と


L-lysine-2D-skeletal


アミノ酸のリシンが反応して生成されるアマドリ化合物に


Fructoselysine


フルクトースリシンがある。

ructoselysine - Wikipedia


このアマドリ化合物から、中心にあるNから右側が外れ(脱アミノ分解)、各所にある-OHが反応(脱水)することで、


Deoxyglucosone

※図:3-デオキシグルコソン | 化学物質情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンターより引用


ジカルボニル化合物というものが合成される。

※ジカルボニル化合物は2個のC=Oの箇所を持つ。

※上の化合物は3-デオキシグルコソンで3-DGと略す


このジカルボニル化合物が更に分解されることで、


Methylglyoxal


小さなジカルボニル化合物(メチルグリオキサール : MG)や

メチルグリオキサール - Wikipedia


Furaneol


環化されることでフラネオールになる。

フラネオール - Wikipedia


ここまでがメイラード反応の中間段階になるそうだ。

村田容常 焼いたスイーツとメイラード反応 - 化学と教育 67巻2号(2019年)




今回の内容からフルクトースから直接3-DGになるのでは?と疑問になった

検索をしてみたら、フルクトースの場合はアマドリ化合物にならずに3-DGになる経路があるらしい。

※グルコースが3-DGになる時はアマドリ化合物を経由する必要がある。

河崎考弘等 フルクトース毒性 - 糖尿病 48(6) 419〜421 2005


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