

鶏糞の消臭の話題が挙がり、消臭剤としての鉄を考える機会が出来た。
以前、臭いの原因は鉄で消臭しようでアンモニアと鉄を反応させたらアンミン錯体が出来て云々かんぬんといった内容を記載したが、あの時の知識レベルでは色々と怪しいので、改めて見ていくことにする。
はじめに、単純にアンモニア水に鉄粉を入れるといった反応を考えてみる。
アンモニア(NH3)を水に溶かすと、アンモニウムイオン(NH4+)になり

ルイス構造式では上のように表す。
錯体形成の時は、上の図のNの上の非共有電子対(・・の箇所)が空いていなければならず、鉄を加えることで都合良くH+が外れてくれなければならないがそれは難しい。
代わりに、
NH3 + H2O → NH4+ + OH-
の反応で生成された水酸化物イオンと鉄が反応して、
Fe2+ + 2OH- → Fe(OH)2
か
Fe3+ + 3OH- → Fe(OH)3
の反応により沈殿して、アンモニア水の消臭の効果は期待できない。
ただ、アンモニアと鉄が錯体を形成する可能性はあるらしいが、その条件は今の知識レベルで考えるのは難しい。
ただ、鶏糞の処理の際に鉄を加えると良いという話があるので、消臭は別の反応になるのだろう。
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