先日、身内の誕生日ということで、身内の希望によりぼたん鍋(イノシシ鍋)をごちそうすることにした。


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大阪の高槻の原大橋付近に原養魚場という鯉の養殖をしているところで提供されるぼたん鍋が絶品とのことで、ここに決めた。


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この時期のイノシシは油がのっているけど、仕留めた後の処理がうまかったり調理がうまかったりと、見た目程こってりしておらずさっぱりしていて美味だった。


今回紹介した原養魚場


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ここからが本題だけど、ぼたん鍋をお金を払って食べにくる日がくるなんて、獣害で頭を悩ませていた頃には想像すら出来なかったよ。


誰かが仕留めたイノシシがよそ者の自分にも配られて、イノシシ肉は無収入だった頃の貴重なタンパク源で、お金を出して食べるというイメージは無かった。




ある冬の日、風呂から上がって、農村で大変お世話になっていた方からビールを頂いていた時に電話がなった。

当時、他にいた研修生の方からだ。


師の畑にイノシシが入った。

今すぐきてください。


まさか夜に外に出るなんて思ってもいなかったから、髪をほとんど乾いていない。

だけど行かなければならないので急いで着替えて畑に行った。


師匠の畑は1haクラスの区画がいくつかあるところで、夜の暗さだと畑の奥の方がよく見えない。


足音は聞こえる。


手前の方で負傷して倒れている人がいた。

当時いた研修生のもう一人だ。

全治半年近くの怪我を負っており、直後に入院した。


30分ぐらいして、足音でこちらに向かってきている事がわかった。


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(写真:当時研修生だった方のサイトから引用)


後日聞いた話だと200kg近くのイノシシだったらしいけど、運悪くこのイノシシと目があってしまった。

何かイノシシが突進してくる準備をはじめて、こちらに全力で走ってくる。


この時、ハウスを固定する螺旋の杭を二つ持っているだけで、イノシシに投げたのだけれどイノシシに当たらずでこちらに突進し続ける。


人生終わったよと思ったよ。

80kgぐらいの人を余裕でぶん回していたもんな…




この時、すごく運が良くて、前日にイノシシにやられた彼とイノシシ向けの簡単なトラップを仕掛けていたんだけど、その仕掛けがちょうど目の前にあって、イノシシがそのトラップに引っかかって走れなくなった。


勢いを失ったイノシシは、逆を向いて走り去っていった。

四方フェンスに囲まれていた畑だったけど、フェンスを破壊してイノシシは山に去っていった。


農村で大変お世話になった方の家に戻り、アワの抜けたビールがもったいないので飲んで寝た。

乾いていない髪の状態で外に出たので、翌日は頭痛だった。




翌日、農村を歩いていると、

師のところにいる若いやつがイノシシにやられたのに生きているぞ。

若いやつといえば齋藤だよな。

あいつ細身なのに生きてるのが奇跡だよな。

という噂が流れていて、


いろんな方にどうやって生き残った?と意味不明な質問をされ続けた。

頭が痛かったので、返答は本気で困った。


翌日の質問攻めも含め、イノシシとのやりとりは今となっては良い思い出です。

実はこの時、イノシシがどんなに頑張っても破れなかったフェンスがあって、そのフェンスを元に作られたフェンスが周辺に広まったのだけれども、その話は次回にでもすることにしよう。


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