二価鉄を求めて-後編までの話で、植物の光合成には二価鉄が大事だけれども過剰症には注意という生理的なものから安山岩、玄武岩質的火山から流れる川には有機酸でキレートされた鉄があるという内容を記載した。
これらの内容を踏まえ、ここ最近、特徴のある地域をいろいろと行ってみて思ったことがある。
粘性の低い火山の火山灰(凝灰岩も含む)や火成岩を母岩とする地域では生育が良いという定説があるが、海底火山の痕跡がある山が近くにある土壌も生育が良いのでは?と思うようになった。
山なのに海底火山?と思うかもしれないけれども、
産総研の地質図を眺めていると、火山とはほぼ無縁の京都大阪であっても、時々山の一角で海底火山を構成していた岩石の一部がある。
ハワイあたりの海であった海底火山がプレートの移動によって、日本の縁にぶつかり隆起して形成されたものだ。
ハワイあたりの海底火山というのは、噴火の法則のようなもので玄武岩質的な火山になる。
大阪の高槻という周辺に火山も海もない地域で、何故か地域でおそらくいちばん高いであろう山の山頂付近に
海底火山の痕跡があって、
その下にはとんでもなく栽培しやすそうな土が広がっていた。
今回の話題では、栽培している個所が海底火山である必要はなく、畑で潅水用で使用している水源の大元に海底火山の地質があるか?
そのような土地こそ真に恵まれた土地ではないだろうか?と思うようになった。
更にいうと、日本を南北に分断する中央構造線付近にある三波川変成岩帯にも鉄を多く含んでいる鉱物が非常に多い。
最近時々話題に挙がる土地や気候(台風の上陸回数は除く)に非常に恵まれていて、ここで栽培できなければ日本のどこに行っても栽培できないだろうと言われる四国の徳島のとある地域の地質を確認してみると、
全体的に海底火山(三波川変成岩を含む)の地質で構成されていた。
※美味しい米が収穫できると言われる紫(蛇紋岩)のエリアもちらほらと見かける。
地元の方のいう言葉というのは的を得ているものだなと。
今回のような地質と栽培の関係をより確実な理解へつなげる為に、スマホのGPS機能で自身のいる場所の地質が何であるか?を確認できる
Soil & Geo Loggerを作った。
目の前に見える景色で川の向きや山について意識してみると、今まで見えなかった有用なものが見えてくるかもしれない。