熊本JAやつしろの栽培者向け勉強会で施肥設計の話をしました等の勉強会で必ず話題として挙げるものとして、鶏糞堆肥の使用には注意が必要で、(緑肥による土作り以外で)鶏糞堆肥を土作りの資材として使用してはいけない。
更に、安価な窒素肥料というイメージでも使用してはいけない。
ということを伝えています。
何故か?
それは鶏糞堆肥には思わぬ落とし穴があるからだ。
話を始める前に興味があればだけど下記の発酵鶏糞のシリーズに目を通してもらうとして、
熟成した鶏糞堆肥では、腐植(のような物質)、炭酸石灰(+リン酸石灰)と速効性の無機肥料が大体均等に入っているというイメージで、
※均等というのは雑だけど、話を進める上で均等という表現を使っています。
炭酸石灰(+リン酸石灰)の箇所を除くともう、牛糞で土作りなんて止めようよで説明した内容と一致するので、この話は省略する。
思わぬ落とし穴というのが、
鶏糞の中には無視できない程の量の炭酸石灰とリン酸石灰があるということ。
※産卵鶏由来の鶏糞での話。給餌量の7〜9割は排泄されてしまうとのこと
石灰多めということを意識せずに元肥なり追肥を行うと、まったく意識していないにも関わらず石灰の使用量が増えるという罠があり、土壌の石灰(カルシウム)過剰は後々面倒なことになってくる。
逆に見れば、窒素や石灰といった資源をふんだんに含んだ無機肥料ということになるので、窒素肥料(+α)の追肥として使用したい場合は栽培開始前のpHの調整は行わない。
pHの調整を行いたければく溶性苦土を使う。
pHの調整で消石灰のように苦土を使いたければ、クエン酸溶液を併用する。
何作かにいっぺん、緑肥をかますこと
これらを意識するだけで、厄介者が強力な武器へと変化する。
補足
平飼い養鶏の鶏糞は腐植をふんだんに含み、給餌の消化率も高いので今回の話は当てはまりにくい
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