ビタミンに触れてから時々目にする補酵素という文字。
補酵素といえば高校生物で習うものだけれども、補酵素の多くはビタミンということでビタミンを知ることで避けることができないものなので、ビタミンを頻繁に話題に挙げていることタイミングで触れておく。
最初に酵素について触れておく。
酵素を学ぶ上で有名な図がある。
左が酵素で右が基質。
そもそも酵素というものは基質と呼ばれるものを、切って小さくしたり、形を変えたりするもので、例えば、アミラーゼという酵素はデンプンという糖が沢山繋がったものから、糖を切り取る時に使用する。
酵素には鍵と鍵穴という関係があって、
酵素に基質がぴったりとハマれば、対象となる基質が他の物質へと変化し、
基質が酵素の穴にぴったりとハマらないようであれば、酵素は基質の形を変えることができない。
これを基質特異性と呼ぶ。
例えば、プロテアーゼと呼ばれるタンパクからアミノ酸を切り取る酵素があったとする。
プロテアーゼはタンパクは分解出来るけれども、デンプンから糖を切り取ることができない。
一方、前記したアミラーゼはデンプンから糖を切り取ることは出来るけれども、タンパクからアミノ酸を切り取ることはできない。
次に補酵素の話に触れる。
こんな感じで酵素(左)と基質(右)のどちらも歪な形をしていたとする。
酵素に基質が入り込むと、上の図のように丸い隙間が出来る。
これだと酵素は結合した基質の形を変化させることができない。
ここで補酵素が登場する。
こんな形で丸い隙間に補酵素と呼ばれるものが入り込むことによって、基質の形を変えることが出来る。
この補酵素の具体的な役割は基質に電子を与えつつ形を変えたり、補酵素にあるメチル基等を基質に移行して付与して基質の形を変える。
前者はビタミンCあたりだろう。
後者は今までの記事では触れていないけれども、S-アデノシルメチオニン(SAM)あたり。
補酵素の知識があれば、ビタミンの理解はより進むはず。
酵素についての関連記事
土壌酵素の記事:シンプルに生きる生物が周囲に与える影響