ブロッコリの根に秘めたる可能性の続きになるけれども、(人にとって)野菜のポテンシャルを高める為には栄養価の向上は欠かせない。
栽培で野菜の栄養価を高める為には、栄養が人にとっての働きと野菜自身にとっての働きを知る必要があるはずだ。
という背景の元、植物体内で合成されたビタミン等が自身でどのように働いているのか?を調べることにした。
今の所、ビタミンの大半は光合成や代謝周辺で働いているものが多いなという印象になった。
となると、野菜の品質は光合成が盛んに行われいることで大体等しいと言えるはずだ。
という個人的な見解はここまでにしておいて、(人体における)5大栄養に更にプラスして6大栄養に含まれるかも知れないものにポリフェノールがある。
このポリフェノールは良く聞くけれども、これが一体何なのだろう?
ということでポリフェノールの概要が記載されている論文を探してみた。
で見つかったものが、<<総論>> ポリフェノールの機能性 - Nagoya Journal of Nutritional Sciences 第1号 2015年となる。
まず、「はじめに」からポリフェノールそのものの定義を抜粋すると
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ポリフェノールとは、分子内に 2 個以上のフェノール性水酸基をもつ天然有機化合物の総称である。
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※<<総論>> ポリフェノールの機能性 - Nagoya Journal of Nutritional Sciences 第1号 2015年 1ページより
前の記事で触れたとおり、
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上記の分子のような形で2個以上の水酸基(-OH)を持ったものをポリフェノールと呼ぶ。
ポリフェノールを更に分類すると、フラボノイド類、フェニルプロパノイド類とタンニン類がある。
ツユクサは一次細胞壁でフェニルプロパノイドを持って何をする?
一般的にポリフェノールと言えばフラボノイド類を指すらしい。
フラボノイドは2個のベンゼン環(両端の六角形)を3個の炭素(上の図の2、3,4の箇所)で繋いだものを基本骨格とする。
フラボノイドでよく聞くものと言えば、
By Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, Link
ダイズに含まれるイソフラボンとか、
イチゴの色鮮やかな紅色の色素であるアントシアニン等がある。
アントシアニンの化学式は上記のリンクにあるのでそこで見てもらうとして、アントシアニンはどれもフラボノイドの基本骨格を元に両端のベンゼン環に水酸基なり糖が付与(グリコシル化)されている。
フラボノイドは二つのベンゼン環を繋いだものになり、ベンゼン環はフェニルアラニンというアミノ酸が基になり合成される。
イソフラボンがダイズと共生する根粒菌を活発にし、アントシアニンが過剰な光合成による障害を緩和する。
似たようなものでも全然違う働きをする不思議さの基には芳香族のアミノ酸があり、その基には光合成により形成された糖がある。
健康的な野菜の条件が当たり前ではあるけれども光合成の質にあると改めて感じる。