石灰はpHを調整する為に使うもので書いたけど、石灰はpHを調整するものだと思いきや、石灰は栽培用語でカルシウムという意味なだけで、石灰が必ずしもpHを調整する訳ではないと記載した。


他の石灰資材を挙げると、

酸化カルシウム:CaO

硫酸カルシウム:CaSO4

硝酸カルシウム:Ca(NO3)2等々


酸化カルシウムは

CaO + H2O → Ca(OH)2

Ca(OH)2 + 2H+ → Ca2+ + 2H2O

になってpH調整できるけど、


硫酸カルシウムは

CaSO4 + 2H+ → Ca2+ + H2SO4


硝酸カルシウムは

Ca(NO3)2 + 2H+ → Ca2+ 2HNO3

どちらも石灰であるにも関わらずpHは調節できない。




現代農業2007.10のp82~83ページに石灰を含む肥料の特性と使い方という記事があった。


そこには、各石灰のpHが記載されており、

CaOはpH13.4

Ca(OH)2はpH13.4

CaCO3はpH9.7

CaSO4はpH5.7

Ca(NO3)2は酸性

という風に記載されており、


見ての通り、石灰だからと言ってpHを調整できるわけではないですよ。ということが分かる。

いやいや、硫酸カルシウムを入れたら、土壌を酸性に出来るじゃないですか!

ということを言えるかもしれない。


たしかにそうだ。

上がり過ぎたpHを下げるにはちょうど良いかもしれないけど、


その前に硫酸カルシウムのpHは土壌の理想環境に近いpHですから!

ということを忘れてはならない。


そもそも、土壌のpHが高い状態なんて、よほど無茶な施肥をしない限り発生しない。


関連記事

京都北部の舞鶴全般の土壌の考察