栽培している者であれば一度は見聞きしたことがあるものに光合成細菌の話題があるだろう。
光合成は植物だけのものではなく、細菌の中には太陽からの光を活用出来るものがたくさんいる。
By ja:User:NEON / User:NEON_ja - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5, Link
その内の一つが光合成細菌であって、シアノバクテリア(藍藻)と呼ばれているものいる。
シアノバクテリアといえば地衣類の話題の際にも登場した。
最近、光合成周りの見直しの為に、取っ掛かりとして
人工光合成系の本を読んでいるのだが、この本では植物の光合成以外にも細菌の光合成にも触れていて、シアノバクテリアに関して興味深い内容が記載されていた。
図:光合成のエネルギー変換と物質変換 - 株式会社 化学同人の243ページ目より引用
上の図はある種のシアノバクテリアを表したものになる。
ここで興味深いものとして、左のイラストの細胞では光合成を行っているが、右のイラストの細胞では窒素固定を行っている。
右側の異質細胞と呼ばれる細胞は、ある種の繊維状シアノバクテリアにおいて、窒素欠乏下におかれると数十個に一つの割合で窒素固定を行う細胞へと変化する。
光合成を行う細胞と隣り合うことによって、光合成産物の一部を活用して空気中の窒素ガスからアンモニアを合成する。
もし、栽培者にとってシアノバクテリアが都合よく動いてくれるのであれば、窒素肥料を控えることで空気中の窒素ガスを活用してくれるという理屈になる。
高C/N比の環境で、葉色が黄色になってしまった草がある日突然緑色に戻ったという現象に遭遇したが、もしかしたら地表にいるたくさんの光合成細菌が空気中の窒素ガスを土壌に固定した。
ということがあったのかもしれないね。
どちらにしろ、光合成や窒素固定を行うことが出来る生物は多いものだ。
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