美味しいコメの指標として
炊き上がり時にご飯粒が立って光っているのがあるのだろうか?
という疑問の元、
前回の記事で炊き込みに関しての研究論文を発見したというところで話は終了した。
その論文というのが、
米飯粒内の糊化進行過程の可視化 - 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online
になる。
この論文に触れる前に糊化について見ておくと
米は水を吸った状態で加熱すると糊化(こか:アルファ化)する。
詳細は内閣府食品安全委員会でわかりやすい資料があったので抜粋すると
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デンプンは、グルコースがα-1,4結合でつながっていて、それが分子内で水素結合をして、とてもコンパクトにまとまっている。グルコースは本来、水に溶けやすいものだが、グルコースの分子間同士で水素結合をしてしまっているので、その中に水が入っていけないので、生デンプンは水に溶けない状態となっている。(途中省略)
それを加熱するとグルコースの水素結合が切れて三次元構造が変わり、水素結合が切れたその間に水が入ることができるようになる。(途中省略)
水が入ってこられるということは、アミラーゼというデンプンを分解する酵素が入ってくるので、効率良く分解できる状態になる。これを糊化と言う。糊化すれば口で噛んで分解でき、糖になるので甘くて美味しいと感じることになる。
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わかりやすいといっても専門用語がいくつかあるので、生化学の知識がないととっつきにくいものかもしれない
ということで参考の記事を紹介しておく。
グルコースはブドウ糖のことで、α-1,4結合はグルコースの繋がり方となる。
水素結合がアミノ酸の時に出てきたそこそこ強い結合を指す。
ある程度の温度で水素結合は切れる。
アミラーゼと酵素は下記の記事3つ
これらの内容を踏まえ、
米を炊飯器で炊いた時、熱でデンプンの直鎖が酵素で断片化され、
断片化が進めば進む程、噛んだ時の唾液に含まれる酵素で甘みを感じる糖まで細かくなる。
ということで、
米の美味しさというものは、
デンプンの量よりも効率的にデンプンを分解するアミラーゼの効率性の方が重要だと思えてくる。
アミラーゼを含む酵素はタンパク質と、
アミラーゼが効率的に動くための鍵のようなもの(補酵素)が重要ではないかと。
タンパク質はアミノ酸の合成が重要になるわけで、
アミノ酸については下記の記事で触れておくとして
アミラーゼを調べてみると、
アミラーゼの補酵素はカルシウムイオンと言われている。
カルシウムは土壌中にありふれた物質なので、
補酵素が米の美味しさに直結するとは言いにくい。
話は長くなったので、
冒頭にある糊化の論文は次回にすることにしよう。
-続く-
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