発生し続ける活性酸素で動植物の活性酸素による菌の侵入を阻止する話を記載した。
活性酸素による防御の要は、活性酸素を生成する時と、活性酸素が暴走しないようにする時に、どちらも電子を与えるという還元が大事になっている。
となるとだよ、
免疫系以外のところで発生する還元が極力少なくなれば、免疫に占める割合を多くすることが可能ではないか?
という疑問が生じる。
アミノ酸肥料というのがあって、どことは言わないが、それを売っている人の売り文句に
アミノ酸は炭水化物に窒素がついたもので、植物にアミノ酸を直接与えれば、光合成で生成された炭水化物を他のところにまわすことができる
とその人はおもむろに黒板にアミノ酸の化学式はCHO-Nと書き始めた。
…
う〜ん…
炭水化物は糖で、糖に窒素って表現があまりにも雑すぎないか?って感じてしまうが、アミノ酸の直接吸収により、光合成産物をアミノ酸合成に回す量を減らすことができるだろうから、理屈的には正しい可能性は十分ある。
※植物はアミノ酸やある程度の大きさのタンパク(ペプチド)を直接吸収できる上、葉面散布も有効だと言われている
活性酸素は糖を分解した時に発生するし、糖を分解している時に電子をNADH2+として貯えてもいるから、それらを他の器官に回せると強い。
この話をもう少し深く見ると、アミノレブリン酸のポテンシャルでみた硝酸イオンからアミノ酸の合成への経路で、
シロヘムが硝酸イオンをアンモニアへ還元している反応がある。
植物の根は硝酸イオンを貪欲に吸収し、吸収した硝酸イオンはアミノ酸に変え、葉の液胞という器官に蓄える特徴がある。
つまりだよ、アミノ酸を直接吸収していようが、根の周りに硝酸塩が大量にある環境では、それをすぐに吸収して還元しようとすると考えられるわけで、
そうなると、塩類集積を起こしやすい堆肥なんてものを施用すると、その時点で作物の免疫を弱らせる行為である可能性が高い。
塩類集積が起こりやすい資材で、ついつい大量に入れてしまう、というかそういう指導を受けやすい資材といえば牛糞なわけで、
牛糞で土作りをこだわりの一つとしている時点で、秀品率の低下が決定されているのでないだろうか?
入れるんだったら、食品残渣を発酵させたものの方が遥かに良いよ。
そうなると、
やっぱり廃菌床はすばらしい。
キノコを育てている時は培地(木質)にふんだんにタンパク(アミノ酸)とミネラルを入れて、その培地(木質)毎キノコの菌が発酵させるので、堆肥として使った時、根の周りに硝酸塩が溜まらず、PEONが蓄積され、植物にとってストレスが少ない環境になるんだな。
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