重曹で消臭に挑戦!の続きで、そもそも悪臭を放つ物質って何なの?と言うことで、臭いと言えば家畜舎というイメージから、畜産の論文を探してみたら福岡で下記の様な研究があった。
豚ぷん中の低級脂肪酸類を分解し、豚舎で発生する臭気を低減する微生物資材の開発
この論文は糞として排出される前に、消臭できる微生物も一緒に摂取して大便の臭いをなくそうぜという流れで、枯草菌の一種のバチルス・チューリンゲンシスを利用していた。
栽培をしている人だったら、生物農薬や遺伝子組み換え作物でおなじみですよね。
なんてのは置いといて、研究論文中に臭いの成分の記載があった。
記事内を抜粋すると
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悪臭物質はアンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタンとする。低級脂肪酸 を含めた複合臭低減のため、複数の悪臭分解微生物を組み合わせた資材を開発する。
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アンモニア、トリメチルアミンやメチルメルカプタンという物質が悪臭の原因して考えられているのね。
他に、低脂肪酸というのもちょくちょく出てくるので調べてみると、下記の記事でプロピオン酸という脂肪酸の臭気が高かった。
プロピオン酸という名前はよく見るので、この物質の消臭から考えてみようか。
パブリック・ドメイン, Link
Wikipediaの説明によると、最も炭素数の少ない脂肪酸ということで、炭素数が少ない≒小さい脂肪酸と解釈しても良いだろう。
脂肪酸ということだけあって、これを糧に生きている生物はたくさんいるんだけどね…
まぁ、それはおいといて、このプロピオン酸が悪臭の原因だとして、悪臭と感じるならば気化しているということになる。
そういえば、詳しいことは専門外なのでよくわからないけど、たしか、プロピオン酸は炭酸水素ナトリウムと反応(中和)して塩になるよね。
塩になれば気化しなくなって臭いとして感じられなくなると
CH3CH2COOH + NaHCO3 → CH3CH2COONa + H2O + CO2
こんな感じで。
今回の脂肪酸塩の模式図を書くとこんな感じで、
(曲がっているところが炭素を意味し、青い丸はナトリウムを意味する)
この状態だと極性を持っているので、
こんな感じでナトリウムを先端に配置させたミセルという形状になり、ミセルは親水性が高いので、気化せず洗い流せる。
つまりは、臭いを感じさせないままどこかに移動することができるということになる。
ということは、クエン酸カリウムの様な塩(えん)でも脂肪酸由来の臭いは消せるというわけね。
って、そもそも塩(えん)ってなんだよってことで、次回、塩についてでも書きたいと思う。