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京都環境フェスティバル2020「冬でも楽しめる自然探究」のワークショップで話をしました。

カテゴリー : 光合成

 

トマトの一本仕立てで発根量を抑えることでの懸念

前回のトマトの一本仕立ての記事を踏まえて、今回の内容へと続ける。トマトの木を一本仕立てにすることで、光合成能が高い下の葉に適切に太陽からの光が届き、秀品率が向上すると思いきや、ここで一点気になる事がある。気になることの話題を挙げる為に、高校生物あたりで習う植物ホルモンのオーキシンについて触れる事にする。オーキシンといえば、脇芽の発生は先端が抑えてる地上部の頂点で合成されて、頂点よりも下の脇芽の発生を抑制している。オーキシンの他の働きとして、維管束の形成...

 

トマトの一本仕立て

トマトの整枝作業中に服に付く緑のシミは何だ?までの記事で、トマト栽培での環境や化学の事を整理したので、そろそろ栽培自身について見ていくことにする。とりあえず、私が栽培の師から最初に習った一本仕立てについて見ていくことにする。栽培の中心にはいつも化学一本仕立てとは主の茎のみ残して、茎の伸長の途中で発生した脇芽をすべて取り除いて仕上げる木の形を指す。なんてことを文章で書いたけれども、文だけでは伝わりにくいので、写真を介して見ていくと、先に複葉を意識...

 

植物における脂肪酸の役割

トマトの栄養価から施肥を考えるの続き。前回の記事でトマトの果実の成分を整理し、その中のグルタミン酸について注目した。グルタミン酸の他に不飽和脂肪酸のリノール酸があったけれども、今回は脂肪酸について見てみる事にする。果実ではなく株全体で脂肪酸はどのように使われているのだろうか?すぐに思いつくものがリン脂質の細胞膜で、おそらくこれは一旦細胞ができてしまったら、果実には転流しないだろうから膜の脂質は見ないことにする。ということで、細胞内に遊離している脂肪酸について調...

 

トマトの水耕栽培で水温を意識すべきか?

トマトと菌根菌までの話でトマトの施設栽培についてを整理してみた。他の視点として環境制御を学ぶ為にMicro:bitでサーボモータを学ぶの記事のように環境制御周りを見た。環境制御の栽培で重きを置いているのは、気孔の開閉と水耕栽培の養液に含まれる養分の効率化で、前者であれば主に温度、湿度と光量で、後者はECとpHだった。気孔の開閉は葉周辺の温度、湿度や二酸化炭素の濃度を主に見ていたのだけれども、ふと温度ではなく、株の根元に与える灌水チューブの水温のみ制御は...

 

トマトにケイ素を施用した時の効果を考えてみる

有機栽培で使える可溶性ケイ酸は何処にある?までの記事でトマト栽培とケイ素の話題を記載してきた。キュウリでの話であったが、ケイ素を吸収することで、葉内のマンガンの分布が均一化する事がトマトでも同様の事が言えるならば、これは相当凄いことになる。葉でマンガンが均一化していないということは、葉で局所的にマンガンが過剰になっている細胞と、逆の欠乏になっている細胞がある事になる。順は逆になるが、マンガンが欠乏している細胞では光合成の最初の反応である水から電子を取り出す事がうまくいかずに光...

 

トマトにどうやってケイ素肥料を効かせるか?

前回のトマトとケイ素の記事で、トマトはケイ素が非集積型の植物に分類され、ケイ素(ケイ酸)肥料を寝に与えても、根の周辺に集まったままであるらしいが、それはトマトの根のケイ素の輸送体の一部が欠損していたという理由だった。輸送体が欠損してから相当の時間が経過したので、葉や茎でのケイ素の要求はいくらか変化してしまったかもしれないが、ケイ素がないと奇形になるので、地上部はケイ素を求めているはず。そんなトマトに対して、どのようにケイ素を与えれば良いのだろうか?根からの吸収が期待できないと...

 

トマトとケイ素

農文協から出版されているオランダ最新研究 環境制御のための植物生理という本で、ケイ素の話題がある。未解明の部分は多いが、ケイ素がもたらす良い効果が紹介されている。例えば、レタスがケイ素を吸収し体内で利用することで、マンガンの毒性を緩和するというもの。マンガンは光合成にとって重要だけれども、活性酸素に関与する要素でもあるわけで、葉に局所的に蓄積されると毒性を生じる。牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみるとレタスがケイ素を吸収する事によって、葉内のマンガ...

 

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かす

前回の施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すなの記事で、タイトルにある通り、施設栽培での鉄欠乏の話題に触れた。明確な欠乏症があれば楽なのだけれども、鉄に限らず軽微な欠乏症というのは何かと厄介だ。特に微量要素と呼ばれるのは電子の運搬に関わっているので、軽微な欠乏であってもかなり厄介。施設は慢性的に鉄の欠乏症が発生するということで、この問題にどのように対処しているのか?を整理してみると、キレート鉄の施肥という技術で回避しているそうだ。キレート鉄の使いどころ水に溶解した鉄...

 

施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すな

トマトに限らず、施設内での栽培では鉄欠乏に陥りやすい。鉄は土壌中に大量にある成分であるはずなのに、何故鉄欠乏に陥りやすいのか?考えられる点は二点。鉄がいくら多いといえど、土を酷使している場合は、吸収できそうな鉄の絶対量が少なくなっている。もう一点は土壌の化学性の観点になる。施設は降雨が無いため、露地作と比較して、土が大量に水を得る機会が少ない。トマトであれば更に水を控えるという管理があるので、土が得られる水の量は更に少なくなる。降雨というものは偉大...

 

水耕栽培でマイクロバブルの利用は有効か?

果菜類の水耕栽培で、マイクロバブル(ファインバブル)やナノバブル(ウルトラファインバブル)の効果はどうか?という話題になった。先に個人的な意見を言うと、コストが合うならば導入すべきだと思っている。先にマイクロバブルやナノバブルとは何か?について触れておくと、端的に書くと酸素を長い時間水の中に滞在させる技術だと捉えて良いはずだけれどもどうだろう?マイクロバブルとナノバブルの差はその名の通り、気泡の大きさで、マイクロバブルは気泡径が1〜50μmで、ナノバブルは1μm以下。※厳密な...

 

光ストレス緩和の為のフラボノイド

前回のアブシジン酸は根以外でも合成されているか?の記事で、アブシジン酸は根だけでなく、葉でも合成されるという内容を記載した。それに伴い、強い光量による光ストレスによってアブシジン酸が合成され気孔が閉じるということもあり得るわけだ。光量が多くても、土の保水性がしっかりしていて、根からの水の吸収が常に蒸散に追いつくといった状態があるわけで、光ストレスでの生産性のロスも加味する必要があると思った。この課題が挙がった時に頭に浮かんだ事として、植物が有害な紫外線から身を...

 

アブシジン酸は根以外でも合成されているか?

施設栽培におけるECの管理についてまでの記事で、根からの吸水と気孔の開閉を見てきた。今回のは再び気孔の開閉に関して触れる事にする。高温ストレスと気孔の開閉についてを考えるまでの記事で乾燥や高温といった植物にとって辛い環境になると根がアブシジン酸を合成して、それが葉に到達して気孔を閉じるという内容を記載してきた。どちらも葉からの急激な蒸散による脱水症状を避ける為の防御反応のようなものだ。これらの内容以外で、光ストレスにより気孔を閉じるというものを見かけた。 ...

 

施設栽培におけるECの管理について

農文協から出版されているオランダ最新研究 環境制御のための植物生理という本を読んでいる。この本が出版された頃、京都の北部でシシトウの施設栽培をしている方の間で読まれていて、頻繁に話題にも挙がっていたが、その時はまだ時期ではないと判断して読んでいなかった。土壌の物理性や生物性を経て、そろそろ細かいところを見る頃合いかと思い、この本を購入してみた。土壌中に青枯病菌を捕食する生物はいるのか?施設栽培による環境制御から露地栽培にフィードバック出来る内容は多いはずと期待して読んでみ...

 

高温ストレスと気孔の開閉についてを考える

トマト果実の割れを回避するために気孔の開閉と光合成を考えるの記事の内容を投稿の為に整理している時、植物はいつプロリンを合成するのか?の内容を改めて読んでみた。乾燥時に見られるプロリン等の合成による葉のイオン濃度の上昇は高温時にも見られる事を改めて見た。高温時に何故、葉のイオン濃度を高めるのか?今回はその事について考えてみることにしよう。カルシウム過剰によるカルシウム欠乏葉内のイオン濃度を高める最大の利点は根からの水の吸い上げを高める事になる。根から吸い上げ...

 

トマト果実の割れを回避するために気孔の開閉と光合成を考える

前回のトマト果実の割れを回避するために気孔の開閉を考えるの記事で根からの水の吸い上げで重要な気孔の開閉で孔辺細胞の膨圧を見た。孔辺細胞にカリウムを流入させるか流出させるかで気孔の開閉を行っている。今回はカリウムの流出入周りを見ていくことにする。気孔の開閉は日周性、二酸化炭素濃度、受光量や葉周辺の湿度が関係しているらしい。ここらへんを簡潔なイメージで捉えられるように、ここで植物の生育にとって最も重要な光合成の反応を引っ張り出してくると、6CO2 + 12H2O → C6...

 

トマト果実の割れを回避するために気孔の開閉を考える

前回のトマト果実の割れを回避するために葉のシンク強度を考えるの記事に引き続き、今回は葉の方の挙動である気孔の開閉について見ていくことにする。トマトの葉の裏側を顕微鏡でみると、Photohound - http://remf.dartmouth.edu/images/botanicalLeafSEM/source/16.htmlLicense on site: http://remf.dartmouth.edu/imagesindex.html この JPG ...

 

トマト果実の割れを回避するために葉のシンク強度を考える

前回のトマトの果実のヒビ割れ問題に触れてみるの記事に引き続き、トマト果実の割れについて触れてみる。果実の割れの要因を整理すると・果皮が柔らかい状態・果実に急激に水が移行してきたであり、果皮を硬くすると、極力果実に水を移行させないという二つの切り口で問題を回避出来る。果皮の硬さについては、カルシウムの適切な吸収になるので、要因の後者の果実への水の移行とリンクする。水の移行についてわかっている事を整理すると、カルシウム過剰によるカルシウム欠乏当たり...

 

牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみると

今までも何度も記載してきたが、牛糞を堆肥として捉え土作りをするのは止めた方が良い。理由はいくつかあるのだけれども、それらの理由を感と経験だけで栽培している方にとって、どれもイメージがし難いらしい。ここ数年、栽培が難しくなったと相談を受けた時に、ほぼ全員が牛糞で土作りをしていちえ、牛糞の施肥を止めて、植物性の有機物へ切り替えただけで安定している。牛糞は有機質肥料として優れているかもしれないが、堆肥、つまりは大量に投入するものとしては向いていない。牛糞は有機質肥料としてイメー...

 

降雨時の水の逃げ道に住む草たち

上の写真は小川のように見えるけれども、雨の日の翌日に水の逃げ道として出来ている場所。晴れの日が数日続くと、ここは靴で普通に歩ける場所になっている。反対側を見ると、写真の上部に細かい砂や泥が堆積している場所がある。降雨直前であればおそらくここにも水が流れていて、ちょっと高台なので比較的早くに水が引く場所なのだろう。一つ上の写真に戻って、写真上部の場所が高台なので、撮影時では上の写真の矢印のように迂回して水が流れている。再び砂や泥が...

 

今年もアザミの季節になったので、昨年から見てきたものを整理しよう

今年もノアザミの開花の季節が到来した。昨年のちょうど今頃、アザミの群生を探しに広葉樹の林の林床への記事で林縁の端でやたらと昆虫が集まっているところを見かけて、注意深く見てみるとそこにはアザミの群生が形成されていて、アザミ含め、林縁の外側を注目するようになった。せっかくノアザミの開花を見たことだし、ノアザミから続く一年で得たことを整理してみることにしようか。森林と植物の開花のパターンを大きく4つに分ける事にした。途中、森林を学ぶ上でブナ科の木の理解が超重要であること...

 

森林の縁から木々の棲み分けを学ぶ

林縁の風媒花の木々までの記事で見てきた林の縁にあるブナ科の落葉樹と常緑樹で、どちらも開花を終え、常緑樹の方では葉が大体出揃ったところだろうか。常緑樹の方の色が黄色っぽいので、常緑樹の葉は展開を続けている。以前、常緑樹はおそらくアベマキで、常緑樹はおそらくアラカシだと記載した。落葉高木の下のドングリたちアベマキと言えば、大きなドングリを実らせる事を連想して、アラカシのドングリは遅れて熟すアラカシといえば、ドングリのイラストで定番の形をしている。 ...

 

紫外線降り注ぐ川の堆積地にて

川に石が積まれてメッシュで固定されている所でセイヨウアブラナ?が花を咲かせていた。今までもこの手の内容は投稿していて、根の方が浸水しているので大丈夫か?というニュアンスで書き続けたけれども、林縁の風媒花の木々までの記事の知識が付いてから、葉周辺の乾燥と降り注ぐ紫外線は大丈夫か?という方も気になるようになった。開花したナバナが初春の冷水に耐える森の木々、特にそれらの花と比較して、花粉には大量の紫外線が降り注ぐ。紫外線は花粉で超大事なDNAに影響を与えるわけで、何...

 

初春の緑地の林縁の木々たち

大阪府高槻市にある芥川緑地の端。ここの写真は以前も何度か話題に挙げた事がある。落葉性の木の下の常緑性の木冬の写真とか。この場所は注目していて、ブナ科の落葉樹(おそらくアベマキ)と常緑樹(おそらくアラカシ)の棲み分けが一目瞭然で、森林を学ぶ上で良質な教材になると思っている。ブナ科の系統を見る再び冬の写真と比べることで、アラカシを囲うようにアベマキが展開していて、光の競合でアラカシが負けているように見えるが、実は負けておらず棲み分けをしている事がよくわかる。 ...

 

イチゴの栽培は受光の質を意識することからなのかもしれない

今回はイチゴの栽培は難しいの続きの記事の続き。イチゴの栽培を難しくしている要因のうどんこ病等の病気は紫外線照射により抵抗性が増すことで予防できる事がわかった。今回は他の要因であるハダニについて見ていくことにしよう。ハダニの被害といえば、葉の表面を食害され、葉が白っぽくなる症状になる。(写真なし)ハダニの対策をざっくりと挙げると・ハダニの個体数を増やさない環境作り・ハダニの天敵を増やす・イチゴの方でハダニに対する抵抗性を強化するの三点だろ...

 

アルカリ性不良土壌向けの肥料について調べてみた

今月中旬に肥料関係で大きなニュースがあった。そのニュースというのがアルカリ性不良土壌向けの肥料を安価且つ環境負荷が少ない形で開発できたというものだ。Development of a mugineic acid family phytosiderophore analog as an iron fertilizer | Nature Communications日本国内ではあまり使用する機会はないだろうけれども、開発に要した先行調査や実際の開発で得られた知見というものは、自身の栽培...

 

葉緑素の分解産物が根の抵抗性を高めるらしい

フィードリーダーで農研機構のRSSを登録していたら、新着に(研究成果) 葉緑体成分フィトールがネコブセンチュウ防除に有効であることを確認 - 農研機構が現れた。フィードリーダーというのは、ブログ機能を持つWebサイトで発行している新着情報の発信(RSS等)を登録して、定期的に収拾する仕組みで、お気に入りのブログを見つけた時に登録しておくと良い。フィードリーダー - WikipediaRSS - Wikipediaちなみに私はFeedlyというフィードリーダーのサービス...

 

大寒波がくるまえに出来ること

植物の低温対応としてのグルタチオンの記事までで、冬季の草の低温適応について見てきた。低温への適応は先日の大寒波による野菜の品質の低下の回避の為に絶対に必要な知見になるはず。冬季の野菜を収穫して出荷している栽培者は天気予報で数日後に大寒波という情報を得たら何かしておきたいはずなので、今までの内容から大寒波対策を見ていく事にしよう。大前提として、冬野菜の生産性の向上は地温からの記事で触れたように、栽培開始前に根や土壌の生物らが呼吸しやすい環境を設けて、代謝の熱が適切に発生して...

 

うちのクローバは寒空の下でも元気

レンゲ米栽培の田の冬のレンゲの様子の記事の後に気になったことがある。レンゲは低温で葉の色が紅っぽくなったが、うちの庭で昨年の1月からいるクローバはどうだろうか?前回の記事のレンゲとうちの庭のクローバは近い位置なので、レンゲと同様の低温環境は経験していることになる。というわけで早速確認してみると、大きい葉も新しく発生した葉も綺麗な緑色の葉色だった。クローバはレンゲよりも低温環境に強い?そうではない気がする。低温の時期になる前にどれだけ...

 

レンゲ米栽培の田の冬のレンゲの様子

ここは花の色素と稲作との記事で触れた昨年のウンカの大発生にも関わらず、殺虫剤の使用なしでウンカの被害がなかった田の場所。ここでは次の稲作までマメ科のレンゲを育てている。レンゲの播種は稲作収穫後のすぐ後レンゲの播種は秋の稲作が終わってからになるので、時期はギリギリになってしまう。レンゲの様子を見てみると、(自然環境下と比較して)発芽が遅くなる為、株は小さく見える。しかも、葉の色が変わっているので冬の低温に何らかの反応をしている。アザミのロゼットは美しい...

 

シイの木が優先種にならない地域があるらしい

前回の森林生態系の物質循環の続きの記事で森林の生産性の制御要因である窒素に注目し、処理に困っている家畜糞を施用するとどうなるのだろう?という話題を挙げたけれども、この話題の前に知ることがあると記載して締めた。今回の話題に直接関係あるかはわからないけれども、名古屋大学出版会から出版されている広木詔三著 森林の系統生態学 -ブナ科を中心にに興味深い話題があった。それは九州南部におけるシイ類の生育についてだ。シイ類といえば、今までスダジイとツブラジイに触れた...

 

陰樹の耐陰性とは何か?

林縁の林床に行って空を見上げるの記事で、森林、主に林縁の事を見てきた。林縁というのは、上の図で右側を指す。右側が陽樹で、カシは常緑木で葉の色が濃く、表面に光沢があっても陽樹的な性質があるらしく、ここらへんの見分けは難しい。林縁の陽樹と、若山神社のシイ林の記事で見てきたツブラジイのような陰樹で、一体何の特徴が陰樹になり得る要因なのだろう?ということをこれから見ていく事にする。名古屋大学出版会出版からされている広木詔三著 森...

 

林縁の林床に行って空を見上げる

陽葉と陰葉の記事で、(落葉木であったけれども)同一個体であっても日が当たりやすいところと当たりにくいところの葉の形が異なるということを記載した。陰葉では陽葉の厚みと比較して薄くして、光合成を行う細胞自体の面積を減らす対応をしていて光合成を抑えつつ、呼吸の量も減らす事によって葉の維持コストを減らしている。葉の厚みを減らす事によって、少ない受光量でも細胞内に光を生き渡させる事が出来るようだ。前回は落葉木の同一株内の陽葉と陰葉だったけれども、落葉木と常緑木の違いも上記の話を踏まえれ...

 

陽葉と陰葉

前回の緑地の林縁の木々たちの記事で、常緑木のカシを囲むように落葉木の(おそらく)アベマキが配置している場所の事を記載した。合わせて、ブナ科の各種の葉の特性とドングリの大きさから、上の図のような関係になるのかな?という事も記載した。これらの内容を踏まえた上で、この写真の林床(写真下部)の箇所を見ると、非常に暗くなっているけれども、シイは非常に暗い林床で発芽、成長をすることになるわけで、これは光合成の視点で可能なのか?疑問になる。この疑問を解消すべく検...

 

緑地の林縁の木々たち

ここは芥川緑地と呼ばれる場所の端の方。人為的に切り開かれたであろう広場の前の林の縁に当たる場所。芥川緑地/高槻市ホームページこの写真を眺めると、背が高くて色の薄い葉の木と、その木の間に位置するように葉の色の濃い低い木がある。前者の葉の色の薄い木はアベマキで、後者の葉の色の濃い木は何らかのカシであるらしい。※近所の博物館でこの場所にクヌギがない(もしくは非常に少ない)ことは確認済みブナ科の系統を見るこの場所は林縁に位置し、...

 

コナラの落葉から落葉性を考える

常緑木と落葉木の記事でブナ科を介して落葉性についての理解が深まった。ブナ科の木々では常緑木が多い印象があるけれども、コナラ属コナラ亜属に分類されるコナラやクヌギに落葉性がある。※他にブナ属、クリ属に分類される木に落葉性がある落葉性 - Wikipedia落葉性のある葉の特徴として、葉の表面で光沢(クチクラ層)が少なく、葉は薄く広いという特徴がある。クチクラ層は何からできている?これらの特徴により、光合成量は増すが、紫外線の受光の増加や光合成自体から発生する活性酸素...

 

ドングリが熟す

上の写真は2020年10月15日に撮影したものこれは同じ木(シラカシ)で2020年10月30日に撮影したもの堅果の厳密な比較対象ではないけれども、緑色をしていたドングリの色が茶色になり始めていた。ドングリをマジマジと見ていると、気になることがいくつか出てくる。ドングリの果皮の茶色い線の模様は何だろう?とかそんな疑問に対して、京都大学学術出版会から出版されている原 正利著 どんぐりの生物学 ブナ科植物の多様性と適応戦略という本が丁寧に応えてく...

 

常緑木と落葉木

ブナ科の木を見始めてから、常緑木という言葉を見かける。ブナ科の木は大体常緑木だと思いこんでいたけれども、ta2roさんによる写真ACからの写真ブナ科のクヌギは落葉木として扱われている。ここらへんから森を理解する上で重要な知見が得られるかもしれないので追ってみる。先に誤解しそうな箇所を潰しておくと、常緑木の葉は木から落葉せずに葉が付き続けているというわけではなく、葉が老化したら落葉するということで、落葉木と常緑木の大きな違いは葉の寿命にあるそうだ。...

 

ウィルス感染症予防の一手としてのアスコルビン酸誘導体

農薬の研究開発をされていた方から、お役に立つのではということで、アスコルビン酸(ビタミン C)誘導体の抗ウイルス剤としての利用 - 植物防疫 第 70 巻 第 7 号(2016 年)をご教示頂いた。概要はタイトル通りで、一例としてトマトに対してアスコルビン酸(ビタミンC)誘導体を散布するとウィルス由来の感染症が軽減もしくは遅延されると記載されていた。試験条件によっては80%近い効果を得られたが、多くは50%付近の効果であった。作用機構を見るにはRNA干渉(RNAi)を把握している...

 

基肥のリン酸が発根促進である理由を考えてみる

前回のリン酸欠乏で葉が赤や紫になることを考えてみるの記事でリン酸欠乏で葉が赤や紫になることを今までの知見から考えてみた。これを踏まえた上で、稲作の基肥で話題になる発根促進としてのリン酸に触れてみる。栽培の教科書ではリン酸の説明が発根促進という事を時々書かれているのを見かける。リン酸と発根にどのような関係があるのか?よくわからない。リン酸はエネルギーの貯蔵やDNAの主である核酸の材料の一つで、細胞膜のリン脂質の成分でもあるから成長に重要であるということは自明だけ...

 

リン酸欠乏で葉が赤や紫になることを考えてみる

農道の縁で自生しているイネ科の草の葉が遠くから見ても赤くなっているのがわかる。この草は花の形状と株立ち具合からおそらくオヒシバと呼ばれる草だろう。オヒシバ - Wikipedia赤くなった(もしくは紫)葉は教科書ではリン酸欠乏を疑うべきと記載されている事が多い。その理由として、葉にアントシアニンが蓄積されるからという理由が記載されている。アントシアニンが蓄積されると赤や紫色になる理由の背景はpHによるアントシアニンの色の変わり方を見るの記事で触れた。こ...

 

アズキの種皮から発見された色素

前回の初秋に咲く黄色い花の群生にハナバチが集まるの記事で、ねじれて複雑な形をした花がノアズキではないか?という話題を挙げた。新たに知り得た知見があれば、その内容を掘り下げておくといずれ何処かで役に立つので、アズキを見ておく事にする。最初のとっつきとして、Wikipediaを見てみると、アズキにはサポニンやポリフェノールが含まれており、サポニンは血糖値を抑制し、ポリフェノールには強い抗酸化力があるらしい。フェニルプロパノイド類が血糖値の上昇を緩やかにするはずポリフェ...

 

イネのウンカ類への抵抗性

トビイロウンカは大陸から季節風にのってやってくるの記事で、稲作で厄介なトビイロウンカは大陸から季節風に乗ってやってくると記載した。日本にやってきたウンカはイネの葉に産卵し、何世代か世代交代するが、日本の寒さでは越冬する事ができない。トビイロウンカを含むウンカ類でイネの抵抗性の研究がないか?検索してみたところ、昆虫の加害によってイネに発現する誘導抵抗性 - 植物防疫 第64巻 第11号(2010 年)という報告があった。内容は以前紹介したジャスモン酸や青葉アルデヒドがイネでも同様に...

 

薄い色の花弁のアサガオからフラボノイドのことを考える

前回の記事の薄い色の花弁のアサガオの花が咲きましたで見た薄い花弁のアサガオの花でいくつか気になることがあった。これは私だけではなく、この株だけ生育が遅いと話題に挙がる程、様々な方でも一目瞭然な違いだった。これは植木鉢を上から見た時のものだけれども、写真の中心や左上の方に葉の色が薄いものがある。これは発芽した時からずっとそうで、色の薄い(黄緑)葉の株は生育が遅い傾向にあった。この色の花が咲いた時に、この色はなんと呼ばれているのだろう?と気になったので...

 

ケイ酸苦土肥料から稲作を模索する

肥料の製造元と面識がないので、肥料名は控えるが、ケイ酸肥料で有名なものにケイ酸苦土というものがある。保証成分は苦土が25%近くと多量に含んでいる。ケイ酸肥料で他に有名なもので、珪藻土由来のケイ酸カルシウムというものがあるけれども、カルシウムはできれば入れたくないので、ケイ酸苦土の方が何かと有り難い。カルシウム過剰によるカルシウム欠乏前回の猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討するの記事で稲作にケイ酸が良いという内容を記載したけれども、今までの記事からケイ酸を含んでいれば...

 

猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討する

※上の写真は過去のイネの写真稲作の虫害防除の今後を考える年々勢いが増すと予想される台風に対して出来ることはあるか?の記事で、年々猛暑日が増える中、稲作では高温障害によって米の収量や品質が低下する恐れがあり、高温に耐えられる品種の育種が急務であることを記載した。高温で考えられる障害として、中干し後のレンゲ米栽培の田の様子高温による光合成の低下が挙げられる。光合成の低下は気温の上昇により葉の気孔からの蒸散量が増加することを阻止するために、気孔を閉じて増産量...

 

中干し後のレンゲ米栽培の田の様子

田植え前から観察しているレンゲ米の水田レンゲ米の水田からイネの生長を考えるの記事で触れた通り、比較対象として観察している周辺の畑と中干し後から興味深い差が生じ始めた。上の写真は比較対象の地域の慣行的な栽培の田だけれども、日差しの関係から明確に撮影するのは難しいが、全体的に葉色が薄くなっている。この現象は他の畑でも同様。この時期は幼穂形成の時期で生殖器官への養分転流が盛んになる時期なので、葉色が薄くなるのは当たり前の現象ではあり、葉の老化として考えら...

 

開花させることが前提のレンゲを栽培する時に注意すべきこと再び

維管束とオーキシンと発根までの記事を経て、開花させることが前提のレンゲを栽培する時に注意すべきことを見ることにしよう。エルドンさんによる写真ACからの写真稲作前のレンゲ栽培で意識したいこととして、ミツバチ等の昆虫が花蜜と一緒に花粉を持っていってしまうことを記載した。この記事中で稲作時の川水の入水でミネラルが入るかもということを記載したが、調べていく中で、整備された用水路からの入水ではミネラル(主に亜鉛)は期待できそうにないことがわかった。 ...

 

亜鉛欠乏と植物のオートファジー

前回の植物のオートファジーの記事で植物でのオートファジーのざっくりとした内容を見た。Emma Farmer (-- Serephine ♠ talk - 10:28, 21 April 2007 (UTC)) - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる今回は更に踏み込んで、オートファジーの制御について見ていくことにする。オートファジーを知る上で、吉本 光希著 植物の必須栄養素から考える植物オートファジーの重要性 - Journal of Japa...

 

植物体内でのシンクとソース

サイトカイニンは細胞壁インベルターゼを活性化するの記事で、サイトカイニンは葉にある二糖であるショ糖を二個の単糖に変えることで、葉の糖の濃度を高め、シンク強度の増強の関与すると記載した。唐突に現れたシンクという言葉は何なのか?を今回見ていくことにする。シンク(器官)という用語と一緒に使用される用語としてソース(器官)というものがある。シンクとソースの話題で頻繁に使われるのが、葉とリンゴ(もしくはトマト)があるので、この慣習に従い、ここでもリンゴにする。植物においてリンゴは光合...

 

イネの養分転流を見る

分げつ盛期から生殖生長期に変わる頃、古い外葉が枯れ始める。これは上にある葉によって遮光され光合成の効率が低下する為、養分転流と呼ばれる現象により、師管を経て古い葉から新しい葉に糖やアミノ酸を送って枯れるそうだ。養分転流が発生する際に、古い葉ではノーベル賞の受賞で有名になったオートファジー、新しい葉ではサイトカイニンの蓄積が重要であるそうだ。イネの効率的な窒素利用機構を解明-オートファジーがイネの成長と窒素転流の鍵を握る- 東北大学オートファジー - Wikipedia古い...


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