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平日の夕方になると、里山付近に行くようにしている。

流石に獣と遭遇するのが怖いので、里山の中には入っていない。

イノシシとやり合って怖い思いをしたことがあるので、獣に関しては注意している。

イノシシ鍋を食す


そんな思い出よりも冒頭の写真だけれども、なんか今年の里山の色付き方が例年よりも鮮やかに感じる。

あくまで感じるだけで、毎年この景色を見ていたので、しっかりと記録をしておけば良かったと後悔もしている。


そんな後悔をしていても仕方がないので、クヌギらしき木に近づいて、


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下から撮影をしてみた。

夕方の薄暗さがクヌギの橙色をより美しくしているようだ。

日中に下から見上げても美しいのだろうなと思いながら、ここに日中に訪れるのは面倒だなと思ったりもしている。


そんなことは置いといて、橙色の色素の名前が気になった。

クヌギの落葉は緑色の色素のクロロフィルが脱色して、もともとは目立っていなかったカロテノイドが目立ち始めた事でこの色になるが、カロテノイドといえば真先に頭に浮かぶのが黄色のキサントフィル(ルテインやゼアキサンチン)で橙色ではない。

遥か昔に植物が上陸にあたって獲得した過剰な受光対策


真先に浮かぶと表現したが、キサントフィルは高校生物で話題に挙がる程度で、代表的なカロテノイドではない。

むしろ一般的なカロテノイドといえば、


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ニンジンのβ-カロテンの方になり、カロテノイド = 橙色となる。

カロテノイドの生合成


であれば、クヌギはβ-カロテンを積極的に合成しているのだろうか?という疑問が生じる。

もし、クヌギの黄色い色素のゼアキサンチンであれば、ゼアキサンチンはβ-カロテンから合成されるので、カロテノイドの合成の大半が黄色になる前に停止して、橙色の時点で蓄積していれば、クヌギが落葉前に葉を紅色にするのは有り得なくもない。

野菜の美味しさとは何だろう?カロテノイド


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木の下に落ちている落ち葉を見ると、橙色の葉が少ないように見えるのは、速攻でカロテノイドが消費されて、褐色の要素のタンニンが増えているからなのだろうな。

タンニンのタンパク質凝集モデルは地力窒素の理解に繋がるか?