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隔年結果とジベレリンの記事で、ミカンの木に冬期にジベレリン剤で処理すると花芽形成が抑制されるという内容を記載した。

前回の記事でも記載した通り、各種休眠打破に関与する植物ホルモンのジベレリンが何故花芽形成の抑制に繋がるのか?がわからない。


というわけで、ミカンの花芽形成について調べてみることにした。




植物学の鉄則として、花芽形成の前に花芽分化というものがある。

花芽形成というのは花に関する組織の発生が開始して花芽の伸長なりの現象を指す。

一方、花芽分化というのは、ある細胞が栄養成長から生殖成長に切り替わるタイミングを指す。


上記の説明ではイメージしにくいが、伸長成長 → 花芽分化 → 花芽形成 → 開花 → 受粉 → 結実の段階を経て、果実が実ると覚えておけば良い。

ちなみに花芽分化と花芽形成は時期的に離れている。


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ミカンの花の開花時期が5月で、花芽形成はおそらくその周辺になる。

花芽分化に関しては、温州ミカンの隔年結果性と春枝結果母枝の花芽分化特性との関係 - 農研機構に拠ると品種間の差を考慮して12月前後の寒い時期になるはず。

花芽分化は冬期までに枝に蓄積させたデンプン量に影響されるようだ。


どうやら枝のデンプン量が少ないと花芽分化が抑制されるようだ。

ミカンのジベレリン剤で花芽形成を抑制するという内容は、もしかしたら花芽分化の直前で栄養器官の何らかの成長を促進して、枝に蓄積されたデンプンを消費して、花芽分化を抑制しているかもしれない。


木全体の栄養器官の相対的な量が増えるので、果実一つ辺りの栄養分配が増え、ミカンの品質の向上に繋がるかもしれない。




ミカンの花芽分化に関して興味深い内容があった。

温州ミカンは果実発育期前半の7~9月の乾燥ストレス付与で翌春の花芽が増加する - 農研機構に拠ると7〜9月に乾燥ストレスにさらされると花芽分化の数が増加するというものだ。


植物が乾燥ストレスにさらされると、葉の裏の気候を閉じ、養分の蓄積を開始するから、おそらくこの時に蓄積されるものの一つがデンプンなのだろう。

植物とトレハロース


であれば、花芽分化や花芽形成の抑制は肥料でできるはずだ。

土壌中に腐植を蓄積させて土の物理性の改善を行えば、保水性を得つつ、根腐れしないように排水性も得られる。


なんてことを書いたが、


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下津のミカン


山の傾斜にミカンの木を植えている園地では肥料の運搬が非常に困難であるため現実的ではなく、ミカン自体が木であるため、野菜程土を気軽に掘り返す事ができない。


この問題に対しての一つの解決策が草生栽培なのだろうけれども、これで土の保水性の改善を行うことは難しい。

落ち葉のような有機物を大量に生産する低木みたいのが、ミカンの間にあって、毎年速攻で落ち葉を敷き詰めるとことがあって、その木をミカンの木の間に一定間隔で植えとけば良いみたいなことがあれば良いのにね。


おそらくだけれども、落ち葉由来のタンニンが隔年結果の対策として働いてくれるはず。

落葉樹の葉は晩秋にタンニンを溜め込み、土へと旅立つ


追記

このまま温暖化が進めば、夏の極端な気候で乾燥期により降雨量が減り、ミカンの栽培が年々厳しくなっていくことが予想される。

ヤンバルみたいに夏期に毎日どこかしらで雨が降っているといった地域であったら栽培が楽なのに。

田道間守が目指した常世の国はヤンバルの事か?


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