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もみ殻燻炭は土作りで有効であるか?の記事以降、燻炭で起こり得る反応について考えている。

上記の記事でわかっていることとして、炭化という用語があること、もみ殻にリグニンが含まれていることと不完全燃焼による反応という事がある。


そこで、生成AIのGeminiに下記のような質問をしてみた。

炭化でモノリグノール同士のカップリング反応は促進しますか?


この質問に関する返答は促進するというものだった。




今回の返答に関する内容を整理してみよう。

モノリグノールというのは、リグニンを構成するもののうちの一つで、


Sinapyl_alcohol

モノリグノールの一種のシナピルアルコールの合成経路を見る


のような形をしており、これらモノリグノールがラジカルカップリングという反応によりお互いに重合しあって大きなリグニンとなる。




反応の詳細は下記の通り。


ラジカルの生成

炭化の高温条件下では、モノリグノールの分子内の結合がホモリシス(均等開裂)を起こし、反応性の高いフェノキシラジカルなどのラジカルが生成しやすくなる。

これらのラジカル同士が再結合することで、C-C結合やC-O-C結合などを形成し、より大きな分子へと成長(カップリングする)する。


脱水縮合

モノリグノールはフェノール性の水酸基を持つため、高温下で脱水反応を起こし、エーテル結合などを形成してカップリングする可能性がある。


芳香環の活性化

炭化の過程で、モノリグノールの芳香環が活性化され、フリーデル・クラフツ反応のような求電子置換反応を起こしやすくなり、他のモノリグノールや分解生成物と結合する可能性がある。

腐植酸の形成をもっと細かく理解したい1


これらの反応を要約すると、


Sinapyl_alcohol


上の図の化合物が大量にあった場合、メチル基(-CH3)が外れ、左側のヒドロキシ基(水酸基 : -OH)あたりで、Oが中心になってお互いのベンゼン環が結合して、大きくなっていくといったところか。


イメージとしては、


Phenol_Coupling


こんな感じの結合が横方向や、斜め上方向にあり、網目状になるといったところか。


であれば、保肥力に関するものは期待出来ず、炭素埋没に特化した資材になりそうだ。

保水性はありそうなので、イオン化した金属はベンゼン環の間で留まりそうだけれども。

フリーデル・クランツ反応 - Wikipedia


caffeic_acid

キノンは還元されやすいか?


今回の反応はポリフェノール同士でも起こり得るらしく、ヒドロキシ基(-OH)が多い分だけ複雑な形になりそうだ。

※炭化でモノリグノールやポリフェノールと糖等の炭素化合物も反応する可能性がある。

※糖、アミノ酸や脂肪酸との反応


炭化すると炭素同士の結合が強いらしいので、燻炭を土に投入してもメタン(CH4)の発生は起こりにくそうだ。