作物の病気を考える。
病気というのは特定の菌が著しく増殖し、
その菌の増殖が止められなくなった現象だと、
個人的には考えている。
大抵の病気はカビ(菌:糸状菌)由来ということらしいので、
土壌中にいた病原菌が弱っている株をみつけて感染し、
その株で膨大に増殖してから他に伝染していく。
株が弱かったとしても、
土壌中にいる病原菌の数が少なければ、
感染しそうになってもおそらく弾くことができて、
そうなると、
特定の菌のみが増殖する環境であることが危ないと言えるのだろう。
カニ殻を肥料として土に混ぜると、
作物が病気にかかりにくくなるらしい。
カニとカビがキチンという繊維で外殻を形成し、
土壌のカビらがお互いにキチンを盗り合っているからだと考えられる。
この現象でどうやって作物は病気にかかりにくい環境になるの?
という疑問が生じるが、
病気というのが特定の菌のみが極端に増殖した時に発生する
という話が正しいとするならば、
現在、とある土壌では、
病原菌が10、病原菌ではない菌が1だった場合、
キチンを盗る菌が寄生するのはどちらか?と考えてみると、
確率的に断然病原菌の方だろう。
しばらくしたら、
病原菌が5、病原菌ではない菌が2になり、
更に経過すると…
となっていって、
いずれは病原菌は相対的にほとんどいなくなることになる。
病原菌ではない方が増えても危なくないの?
ということになるけれども、
いろんな菌の集合なので、
この集合から特定の菌が増殖しかかったら、
当然その菌群が狙われるわけで、
新たな病原菌が急増することは考えにくい。
ということで、
カニ殻を仕込むというのは、
特定の菌だけが増える環境をなくすために、
キチンを分解できるいろんな菌を一斉に増やす効果があるのかなと。
そういうことが土作りなんだろうな。
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