香気物質のフラン類についての続きまでの記事で、非酵素反応により生成されるフレーバーのフラン類について見てきた。


今回はフラノン類について見ていくことにする。




フラノン類の香気化合物の例を調べてみたら、


Furaneol


メイラード反応の中間段階までの記事で触れたフラネオール(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルl-3-フラノン)があるそうだ。


フラネオールの説明文を読んでいて、気になった記述があるので、それについて触れておく。


その記述というのは、

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ストロベリーフラノンの別名を持ち、天然にはイチゴやパイナップルに含まれ、ソバやトマトの香り成分としても重要である

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フラネオール - Wikipedia


P2240106

※写真:イチゴの果実の着色を担う物質は何か?


フラネオールはイチゴの香気物質を代表する化合物であるらしいが、イチゴの果実の熟成ではおそらくメイラード反応は関与していないはず。




上記の疑問を調べる前に、知っておくべきことがあるので、先にそれを触れておく。

その内容というのは、フラノンとは何なのか?だ。


Furaneol


構造を俯瞰したら、


Furfural


フラン類の化合物とよく似ている。

フラン類のフルフラールを酸化すると、


Furan-2-one


2-フラノンという化合物になるそうで、これがフラノン類の化合物となる。

2-フラノン - Wikipedia


ざっと見の違いは環の中の電子の数(二重線の数)になるだろうか。


Furan-2D-numbered


フランの構造が上のようなものだったので、2の箇所に酸素(O)が結合することで、環から電子が酸素に移動したといったところか?


これを踏まえた上で、イチゴの香気物質としてのフラネオールについて考えていきたい。