香気物質のフラン類についての続きまでの記事で、非酵素反応により生成されるフレーバーのフラン類について見てきた。
今回はフラノン類について見ていくことにする。
フラノン類の香気化合物の例を調べてみたら、

メイラード反応の中間段階までの記事で触れたフラネオール(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルl-3-フラノン)があるそうだ。
フラネオールの説明文を読んでいて、気になった記述があるので、それについて触れておく。
その記述というのは、
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ストロベリーフラノンの別名を持ち、天然にはイチゴやパイナップルに含まれ、ソバやトマトの香り成分としても重要である
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フラネオールはイチゴの香気物質を代表する化合物であるらしいが、イチゴの果実の熟成ではおそらくメイラード反応は関与していないはず。
上記の疑問を調べる前に、知っておくべきことがあるので、先にそれを触れておく。
その内容というのは、フラノンとは何なのか?だ。

構造を俯瞰したら、

フラン類の化合物とよく似ている。
フラン類のフルフラールを酸化すると、

2-フラノンという化合物になるそうで、これがフラノン類の化合物となる。
ざっと見の違いは環の中の電子の数(二重線の数)になるだろうか。

フランの構造が上のようなものだったので、2の箇所に酸素(O)が結合することで、環から電子が酸素に移動したといったところか?
これを踏まえた上で、イチゴの香気物質としてのフラネオールについて考えていきたい。




