
ミョウバンはどうやって出来る?の続きの記事でミョウバンことAlK(SO4)2・12H2Oの硫酸カリウムアルミニウムの製造について触れた。
そもそもの話で、何故ミョウバンに興味を持ったか?になるが、

米ぬか嫌気ボカシ肥作りでミョウバンや鉄粉を入れると反応は加速するか?の記事で米ぬか嫌気ボカシ肥作りで米ぬかにミョウバンを加えたら、メラノイジンの生成が促進される、もしくは多く生成されるのではないか?と思ったからだ。
ただ、ミョウバンにはアントシアニンやメラノイジンの安定の他にも重要な機能があり、それが米ぬか嫌気ボカシ肥作りの際の発酵を阻害するのでは?とも思っていて、今回はその内容について触れておく。
法政大学の研究グループが作物を病気から守る物質を発見 持続可能な地球を支えるツールになると期待 :: 法政大学というプレスリリースがある。
上記のページでは、ミョウバン類処理により糸状菌病や細菌病の防除になるという研究報告を記載している。
防除のメカニズムは糸状菌病の方は菌糸の伸長の阻害で生育を阻害し、細菌の方は細胞外膜の損傷により増殖を抑制する。
どちらもアルミニウムの持つ結合性の高さが、糸状菌や細菌の体内に入り込んで流動性を減らすことに起因しているはず。
※生物にとって流動性がなくなることはよろしくないとされている
今回の研究報告では記載はないが、ミョウバンが水に溶けることでpHが下がり、細菌にとって動きにくい環境にするといったことも考えられるが、これは糸状菌と合わせて考えると判断が難しい。
どちらにしろ、アルミニウムの作用機序を考えると、

米ぬか嫌気ボカシ肥作りで関与する菌や細菌にも影響を与えそうなので、ミョウバンの添加は控えた方が良いかもしれない。
だけれども、アルミニウムの添加はしてみたいので、諦めずに考えてみたら、

火山灰(鹿沼土)や粘土鉱物(モンモリロナイト)の粉末の添加あたりが頭に浮かんだ。
これらの粉末はアルミニウムを含む鉱物になり、団粒構造のタネのような働きが期待出来るので、生物性の観点から見ても有りだと思う。
ここまで書いて疑問になったのだけれども、アルミニウムを含む鉱物の粉末にはケイ酸も含まれているが、米ぬかを嫌気発酵している間、ケイ酸はどうなるのかな?




