
芳香族アミノ酸と糖のメイラード反応でポリフェノールは生成されるか?の記事で黒ニンニクの熟成時のメイラード反応について見てきた。
黒ニンニクの熟成の過程でポリフェノールの量が増えるという記載を見かけたが、熟成方法を見てもポリフェノールは増えるのか?という疑問が生じた為、メイラード反応でポリフェノールを合成する可能性があるか?を見ることにした。
芳香族アミノ酸と単糖の反応を調べてみたところ、

フェニルアセトアルデヒドという芳香族化合物があったが、これはポリフェノールではない。
それよりも、フェニルアセトアルデヒドはアミノ酸と単糖のメイラード反応の生成物なのか?という事が疑問になり、メイラード反応の理解を深めたくなった。
フェニルアセトアルデヒドの合成について調べてみると、2パターンあるようだ。
一つはエルリッヒ経路と呼ばれる合成系で、もう一つは味噌の香りのメチオナールの記事で触れたストレッカー分解であるそうだ。
後者のストレッカー分解の方を見ていくと、脱アミノ化(-NH2)と脱炭酸を経て、炭素鎖が短くなりつつ、カルボキシ基(-COOH)がアルデヒド基(-COH)になる反応を指す。
フェニルアセトアルデヒドの合成を見ると、

芳香族アミノ酸のフェニルアラニンからアミノ基(-NH2)が酸素(O)に置き換わり、

カルボキシ基(-COOH)から1つの炭素(C)と2つの酸素(O)が二酸化炭素(CO2)として外れ、炭素鎖が一つ短くなることで、

フェニルアセトアルデヒドになる。
この反応もメイラード反応の一部(副反応)だとされるそうだ。




