植物ホルモンのオーキシンと腐植物質の繋がりまでの記事で、含窒素香気物質のインドールについて見てきた。
含窒素香気物質についてもう一つ見ておきたい化合物があって、それは

アントラニル酸メチルになる。

アントラニル酸メチルはアントラニル酸という芳香族アミノ酸とメタノールでエステル化した含窒素且つエステル系の香気物質になる。

Wikipediaにはアントラニル酸メチルはリンゴの必須フレーバーという記載があった。
はじめにアントラニル酸について見ていきたい。
アミノ酸という用語を頭に思い浮かべてみると、

炭素(C)を中心にして、片側にアミノ基(-NH2)、もう片側にカルボキシ基(-COOH)があり、R(側鎖)には何らかの基が入る。
※ RにHが入ればグリシン、メチル基(-CH3)が入ればアラニン
この規則を踏まえて、

アントラニル酸を俯瞰してみると、アミノ基とカルボキシ基はあるが、中心のCと、そのCの隣の側鎖はない。

変則的かつタンパクを構成するアミノ酸にプロリンがあるが、環状でわかりにくくなっているが、炭素Cを中心として、片方にアミノ基があり、もう片方にカルボキシ基を持つ構造を保っている。
話は脱線したが、アントラニル酸はトリプトファンを合成するシキミ酸経路の中間の化合物であるらしい。
※シキミ酸経路でアミノ酸のフェニルアラニンとチロシンも合成される
前に見た含窒素香気物質のインドールもトリプトファンから合成されたので、香りにおいてトリプトファンは大事なのだなと。
人体でのトリプトファンはメラトニンやセロトニンの精神性に関連する要素で重要なので、トリプトファンに関するものを良い香りだと認識するようになったのか?




