何のアミノ酸由来のメラノイジンかによって抗酸化作用の高さが異なるようだまでの記事でメイラード反応により生成される化合物について見てきた。
フラン、ピロールやチオフェン等の構造を見てきたが、メイラード反応に関する報告を読むと、メイラード反応はまだ続くようだ。
というわけで、今まで見てきたメイラード反応の更に先について見ていきたい。
村田容常 メイラード反応と着色・褐変 糖とアミノ酸が反応すると茶色くなる化学 - 化学と生物 Vol. 57, No. 4, 2019で

※図:村田容常 メイラード反応と着色・褐変 糖とアミノ酸が反応すると茶色くなる化学 - 化学と生物 Vol. 57, No. 4, 2019の図4を改変して引用
furpipate(フルピパートと読む?)と呼ばれる化合物の予想生成経路が記載されていた。
この化合物は

フラン類のフルフラールのアルデヒド基(-CHO)と

塩基性アミノ酸のリシンのアミノ基(-NH2)が結合した後、リシンの側鎖が折りたたまれて側鎖の末端のNH2とカルボキシ基(-COOH)が繋がり環状になったものだと記載されている。
そろそろメイラード反応を深く知りたかった理由を記載していくことにするが、以前、メイラード反応から土の形成を考えるの記事で腐植酸の生成にメイラード反応が関与しているという内容を記載したのだが、メイラード反応の実態がわからなかった為、深く突っ込む事が出来なかった。
今であれば、腐植酸に含まれる環状の構造の一部がメラノイジンに因るものなのか?と考える事が出来るようになったので、フェノール性化合物と合わせて見ていけば、今まで見えなかったものも見えてくる可能性を感じている。
ポリフェノールとメラノイジンというキーワードで調べていったら、興味深い報告にたどり着けるかもしれない。





